ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

3省3ガイドライン対照表ができる見込み

2019/10/10開催の第3回医療等分野情報連携基盤検討会資料を見ていたら、なんと、私がブログで提案した通り、医療システム関連ガイドラインの3省3ガイドラインは、対照表を作ってくれて、かつ統合も一応検討してくれるようです。それは良かった!!

 

せっかく私、対照表作ったから、言ってもらえれば、私の表を作業のたたき台にしてくれてもいいのに(その方が一から入力したり検討する手間が減ると思うので)。業者によっては、人の作った資料を勝手にパクって著作権侵害する人がいますが、どこの業者が受託しているか知りませんが、言ってもらえれば、Excelの生データで提供するのに。前に、私、国の事業のお手伝いして、それを受託している某シンクタンク(大手企業だというのに!)が、勝手に私の書いた文章を某シンクタンクの成果物としてパクろうとしたので、ものすごく怒りましたが、世の中、大手企業でも平気でそういうことをする人がいて、その担当者とはいまだに自治体とかの会議で一緒になって、「盗人っめ!」っていつも心の中で私はにらんでいますが。本当はその会社を著作権侵害で訴えてやろうと思いましたが、仕事が忙しくて、暇になったら訴えてやろうと今でも思ってます。自分が弁護士なら費用倒れになる訴訟でも自分で訴えることができるので、その点本当に良いです。

 

恨み節になってしまいましたが、話を3省3ガイドラインに戻すと、4月ぐらいにパブコメとのことなので、その頃の業務状況に余裕があればパブコメに意見を出そうっと。

 

ちなみに3省3ガイドラインについて、私が過去に提言した内容は以下。

cyberlawissues.hatenablog.com

 

厚労省が対照表等作る旨の記載は、以下の資料の最終ページ。

https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000555936.pdf

 

あと、3省3ガイドラインからそれて、医療ITっていう話でいうと、PHRを早期に実現予定の模様ですよね。マイナポータル連携ですよね。これ、でも本当は、番号法の精査と、なんなら法改正しないと(番号法改正&医療情報用の新法も本当はいる?)…

 

やるべきこととしては、

  • 立法措置の検討
  • その前提として、プライバシー権その他の権利への悪影響の分析と、対策の検討
  • さらにその前提として、PHRユースケースと役割分担・登場人物を決めないと、法的検討すらできないので、本当は実証を実地で机上ではなくいくつかやっていくべきですね

 

私、PHRとEHRについて、国の事業で、個人情報保護法・個人情報保護条例とかの観点から法的整理したことありますが、そういう整理をちゃんとして、ユースケースごとにプライバシー権侵害リスクを分析して、対応を考えないと、PHRだからいいよね、本人提供だし、本人にとってもいいことでしょっていう一面的な考え方だと、法律的観点から危ないことになりかねないと思います(本人に不利益を与える可能性もある、データの出元はどうするのか等)。やっぱり立法措置というのは十分に検討する必要があると思います。

 

私レベルでどこまで具体的に論点を挙げるか、ちょっと微妙なのですが、少なくとも、番号法のマイナポータル関連とか、医療情報の全国的集約の部分は、プライバシー権侵害リスクがありますから、これは国会できちんと議論して、立法措置を取るべきだと思います。あと被保険者番号も、本当は立法措置をした方が良いですよね。個別の被保険者番号については、別に今の立て付けでもよいとして、その裏では、住民票コードみたいなものが動く必要があるわけですから。スピード感のある対応を求められつつ、丁寧な法的検討をするというのは、役所実務的には厳しいというのはそうなんでしょうけれども、やはりイケイケどんどんでは、あとから大変なことになる可能性もありますので。

その点、マイナンバー法はあそこまで慎重な措置をかけていて、規制が重いというのに、それが世間的にあまり伝わっておらず、「怖い、要らない」みたいな感想が多くて、それも悲しいところだな、と。

ちょっとまとまらずにざーっと書いていますが、場合によっては、PHRについても、もっと検討して、ブログ等で意見表明するかもしれません。