ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

マイナ保険証は急ぎすぎてミスがあるわけではない

マイナ保険証がらみ、スケジュールが拙速だったのでは、急ぎすぎではといったコメントも見られますが、結構昔から検討され、開発され、本番運用なんてすでに1年半以上やっているのです。

 

すでに2021年3月の段階でも、データの正確性確保に問題があることが以下のように捉えられています。

──3月末からの本格運用を予定していましたが、10月に延期されました。その理由と、これまでの経緯について教えてもらえますか。

山下●3月上旬から「プレ運用」という形で、一部の医療機関・薬局を対象にシステムの運用を開始していたのですが、保険者が登録した情報に一部誤りなどがあることが発覚し、データの正確性担保の観点から課題があることが明らかになりました。そのため、データの精度を高める仕組みを構築する必要があると判断し、本格運用の時期を延期することにしました。

 対応策として、3月31日から保険者が新規加入者を登録する際、過去に別保険者が登録した「個人番号+生年月日」と突き合わせ、差異がある場合に検知する仕組みを導入しました。さらに、6月末からは中間サーバーなどへの新規登録者を検知したうえで、自動的に住基ネットへ照会するなど、ヒューマンエラーをチェックする仕組みを構築して、データの精度を高めています。これにより、現在は情報の正確性が担保され、安心してシステムを活用いただける状態になっています。