ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

行政手続のオンライン化にかかる法令を確認してみる

 

DXが流行っていますが、デジタル化といえば、行政手続のデジタル化も急ピッチで検討が進められています。行政手続はどうもこれまで役所の窓口に住民自ら行って、書類を出すとか、そういうアナログな傾向がありましたが、行政手続もオンライン化、デジタル化していこうという動きがもともとあったところに、コロナで接触レス・来庁レスが求められ、加速している印象です。

 

では、行政手続をオンライン化するというときに、関係する法律はなんなんでしょうか。そしてどの法令をどういう風に見ていけばいいのでしょうか。今日は、それをブログで書きたいと思います。

 

以前、LINEを使った住民票交付申請に対する雑感を以下のとおりブログで書きましたが、

cyberlawissues.hatenablog.com

 

今日は、では、住民票交付申請をデジタル化できるのかできないのか、関係する法令をどう見ていけば分かるのかを、ブログでみていきたいと思います。これをすることで、住民票交付申請に限らず、法律に基づく行政手続などをオンライン化する際に、どういう法令を確認する必要があるのかを明らかにできると思います。

 

1.行政手続の根拠法を確認

まず、いろいろな行政手続がありますが、行政手続の根拠法から確認していきます。根拠法というのは、平たくいうと、その行政手続がどんな法令を根拠に実施されているかを確認するためのもので、その手続が行われている根拠となる法令のこと、その手続が基づいている法令のことです。

例えば、住民票交付申請については、住民基本台帳法12条1・3・7項、住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令5条に根拠条文があります。

〇法

(本人等の請求による住民票の写し等の交付)
第十二条 市町村が備える住民基本台帳に記録されている者(当該市町村の市町村長がその者が属していた世帯について世帯を単位とする住民票を作成している場合にあつては、当該住民票から除かれた者(その者に係る全部の記載が市町村長の過誤によつてされ、かつ、当該記載が消除された者を除く。)を含む。次条第一項において同じ。)は、当該市町村の市町村長に対し、自己又は自己と同一の世帯に属する者に係る住民票の写し(第六条第三項の規定により磁気ディスクをもつて住民票を調製している市町村にあつては、当該住民票に記録されている事項を記載した書類。以下同じ。)又は住民票に記載をした事項に関する証明書(以下「住民票記載事項証明書」という。)の交付を請求することができる
3 第一項の規定による請求をする場合において、現に請求の任に当たつている者は、市町村長に対し、個人番号カード(番号利用法第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。以下同じ。)を提示する方法その他の総務省令で定める方法により、当該請求の任に当たつている者が本人であることを明らかにしなければならない。 

7 第一項の規定による請求をしようとする者は、郵便その他の総務省令で定める方法により、同項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書の送付を求めることができる

 

〇省令

(本人等の住民票の写し等の交付の請求につき請求の任に当たつている者が本人であることを明らかにする方法)
第五条 法第十二条第三項に規定する総務省令で定める方法は、次のいずれかの方法とする
一 個人番号カード等であつて現に請求の任に当たつている者が本人であることを確認するため市町村長が適当と認める書類を提示する方法
二 前号の書類をやむを得ない理由により提示することができない場合にあつては、現に請求の任に当たつている者が本人であることを確認するため市町村長が適当と認める書類を提示し、若しくは提出する方法又は現に請求の任に当たつている者が本人であることを説明させる方法その他の市町村長が前号に準ずるものとして適当と認める方法
三 法第十二条第七項の規定に基づき住民票の写し等の送付を求める場合にあつては第一号又は前号の書類の写しを送付し現に請求の任に当たつている者の住所を送付すべき場所に指定する方法その他の市町村長が前二号に準ずるものとして適当と認める方法

 

法律の説明:このように、法律は昔に作ったものなので、紙・対面*1が原則になっています。かろうじて郵便が出てくるぐらい。

それを、オンラインでも良いよ、とするのが、デジタル手続法(昔は、オン化法(オンライン化法)といっていた。正式名称は「情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律」)です。

なので、オンラインでできるかどうか、オンラインの場合にどういう方法を取る必要があるかは、オン化法(デジタル手続法)を見てみましょう

 

住基法→

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=342AC0000000081_20200910_502AC0000000041&keyword=

 

住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令→

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360M50000008028

 

省令の感想:市町村長が適当と認めればよいという。本人であることを説明させる方法でもあるとか、結構ラフな感じですね。

 

2.デジタル手続法を確認

法律というのはものすごく大量にあって、その一個一個すべてに「書面」とか「書類」とかという文言が出てくるわけです。オンライン化を認める際に、それぞれの法律の文言を逐一直すという方法を取るのではなく、デジタル手続法(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律)で該当するものは一括してオンライン化を認めるという方法が採られました。

具体的には、法令の規定において書面等で行うことが規定されているものは、当該法令の規定にかかわらず、システム(電子情報処理組織)を使用する方法により行うことができるよ、とデジタル手続法で定めているのです。

ただ、何でもかんでも全部OKではなく、デジタル手続法で定義されている「申請等」「処分通知等」「縦覧等」「作成等」に当たるものが、オンライン化可能ですよ、とされています。デジタル手続法の3、6、7、8、9、11条を見れば、今説明したことが条文形式で書いてあります。

また、デジタル手続法で定義されている「申請等」「処分通知等」「縦覧等」「作成等」に当たったとしても、オンライン化が一部出来ない場合があります。対面により本人確認をするべき事情がある場合、原本確認する必要がある場合その他のオンライン化が困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合として主務省令で定める場合には、その困難又は著しく不適当な部分以外はオンライン化できますが、困難又は著しく不適当な部分は従前どおりの方法で行わなければなりません(法6条6項)。

 

申請等:申請、届出その他の法令の規定に基づき行政機関等に対して行われる通知(訴訟手続その他の裁判所における手続並びに刑事事件及び政令で定める犯則事件に関する法令の規定に基づく手続において行われるものを除く。)

処分通知等:処分(行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。)の通知その他の法令の規定に基づき行政機関等が行う通知(不特定の者に対して行うもの及び裁判手続等において行うものを除く。)

縦覧等:法令の規定に基づき行政機関等が書面等又は電磁的記録に記録されている事項を縦覧又は閲覧に供すること(裁判手続等において行うものを除く。)

作成等:法令の規定に基づき行政機関等が書面等又は電磁的記録を作成し、又は保存すること(裁判手続等において行うものを除く。)

 

※なお、「行政機関等」とあるが、行政機関だけではなく、地方公共団体独立行政法人等、地方独法もこれに含まれる(法3条2号)。

 

 

住民票交付申請を例にして考えると、住民票交付申請はデジタル手続法3条8号で定義されている「申請等」に当たります。ですので、住民基本台帳法では「書面・対面」か「郵送」が前提とされている法律に読めますが、デジタル手続法によって、オンライン化が可能となります(同6条1項)。

 

住民票交付申請って署名が必要でしたかね。「書面」に署名等する申請等の場合は、デジタル手続法によって、物理的な署名ではなく、個人番号カードをシステムで利用するか、主務省令で定める手続をすれば、物理的な署名をしなくても良いです(同6条5項)。

 

住民票交付申請の場合、窓口で現金払いが中心かと思いますが、収入印紙貼付をしたりその他手数料の納付方法が法令で規定されている手続の場合には、デジタル手続法によって、システムを使用するか、主務省令で定める手続をすれば、収入印紙を物理的に貼付したり、窓口で現金払いしたりしなくても良いです(同6条5項)。

 

なお、デジタル手続法は昔、デジタルファースト法と呼ばれていましたが、別にオンライン化する義務が国や自治体にかかっているわけではなくて、やりたかったらやってもいいよ、という法律になっています。デジタルファーストではなく、なんちゃってというか、ザル法って感じですね。

 

また、オンライン化した場合に、どの時をもって申請が到達したとするかという到達時期については、行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時とされています(同6条3項)。某市で申請の到達時期を遅らせたいという激しい主張がありましたが、そもそも法令根拠の手続は、オン化法(デジタル手続法)で到達時期の法律上のみなし規定があるから、その主張は違法というか法律に明確に反していますね。条例根拠の手続でも、オン化条例を見てみないとわかりませんが、オン化法にならったオン化条例だったら、やっぱり違法というか条例に明確に反していますね

 

〇デジタル手続法

(定義)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 法令 法律及び法律に基づく命令をいう。
二 行政機関等 次に掲げるものをいう。
ハ 地方公共団体又はその機関(議会を除く。)
ホ 地方独立行政法人地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。ヘにおいて同じ。)
五 書面等 書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。
六 署名等 署名、記名、自署、連署、押印その他氏名又は名称を書面等に記載することをいう。
七 電磁的記録 電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。
八 申請等 申請、届出その他の法令の規定に基づき行政機関等に対して行われる通知(訴訟手続その他の裁判所における手続並びに刑事事件及び政令で定める犯則事件に関する法令の規定に基づく手続(以下この条及び第十四条第一項において「裁判手続等」という。)において行われるものを除く。)をいう。この場合において、経由機関(法令の規定に基づき他の行政機関等又は民間事業者を経由して行われる申請等における当該他の行政機関等又は民間事業者をいう。以下この号において同じ。)があるときは、当該申請等については、当該申請等をする者から経由機関に対して行われるもの及び経由機関から他の経由機関又は当該申請等を受ける行政機関等に対して行われるものごとに、それぞれ別の申請等とみなして、この法律の規定を適用する。

 

(電子情報処理組織による申請等)
第六条 申請等のうち当該申請等に関する他の法令の規定において書面等により行うことその他のその方法が規定されているものについては当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織(行政機関等の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)とその手続等の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。次章を除き、以下同じ。)を使用する方法により行うことができる
2 前項の電子情報処理組織を使用する方法により行われた申請等については、当該申請等に関する他の法令の規定に規定する方法により行われたものとみなして、当該法令その他の当該申請等に関する法令の規定を適用する。
3 第一項の電子情報処理組織を使用する方法により行われた申請等は、当該申請等を受ける行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該行政機関等に到達したものとみなす
4 申請等のうち当該申請等に関する他の法令の規定において署名等をすることが規定されているものを第一項の電子情報処理組織を使用する方法により行う場合には、当該署名等については、当該法令の規定にかかわらず、電子情報処理組織を使用した個人番号カード行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。第十一条において同じ。)の利用その他の氏名又は名称を明らかにする措置であって主務省令で定めるものをもって代えることができる
5 申請等のうち当該申請等に関する他の法令の規定において収入印紙をもってすることその他の手数料の納付の方法が規定されているものを第一項の電子情報処理組織を使用する方法により行う場合には、当該手数料の納付については、当該法令の規定にかかわらず、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信技術を利用する方法であって主務省令で定めるものをもってすることができる
6 申請等をする者について対面により本人確認をするべき事情がある場合、申請等に係る書面等のうちにその原本を確認する必要があるものがある場合その他の当該申請等のうちに第一項の電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合として主務省令で定める場合には、主務省令で定めるところにより、当該申請等のうち当該部分以外の部分につき、前各項の規定を適用する。この場合において、第二項中「行われた申請等」とあるのは、「行われた申請等(第六項の規定により前項の規定を適用する部分に限る。以下この項から第五項までにおいて同じ。)」とする。

 

デジタル手続法→

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=414AC0000000151

 

3.具体的にどういう方法が可能かは、各府省令を確認

デジタル手続法で認められている「申請等」など一定の類型(「申請等」「処分通知等」「縦覧等」「作成等」)に当たれば、オンライン化できることが分かりました。ようやくここまで来ました。

では、具体的にどういう方法で本人確認すればいいのでしょうか。手数料徴収すればよいのでしょうか。それは、各府省令を確認する必要があります。

 

各府省令というと、具体的には何になるかというと、以下の方法で確認します。

1で確認した根拠法が、どの府省庁の所管法令なのかを調べます。手っ取り早いのは、法律中で「〇〇省令で定める」みたいに書いてあったら、その〇〇省かなってわかりますね。あとは、各府省庁のWebサイトを見ると、その省庁の所管法令一覧があります。それを府省庁の数だけ全部見て、自分が調べたい法律がどの省庁の一覧に載っているか見るとか。ブラウザでCtrl+Fで検索していきますかね。あとは、Googleでgo.jpドメインで法律名検索すれば、該当府省庁がわかるかもしれません。

 

って、国民自身が、その法律がどの省庁の担当かを自力で調べないといけないんです。かなりひどい作りじゃないですか?この辺りは、ブログに既に以下のとおり書きました。

そもそも論を言い出すと、「情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律」自体、ひいては旧オン化法の法形式がおかしくて、だって、具体的方法は各府省に委ねてるんですよ。山のように法律があって、そのデジタル化の方法は各府省に委ねられている。各府省によって違ってよい、まったくバラバラでも良いということになっているわけですよ。おんなじ国や自治体への手続なのに、各府省の判断でかなりバラバラにできるっておかしくないですか?*4

それに、国民の目から見て、法曹関係者の目から見てもですよ、「私は、住民票を取りたいな。住民票というのは、根拠法が住民基本台帳法で、これは総務省の所管法令ね。総務省関係法令だから、デジタル手続する際に、この総務省…施行規則を見ないといけないのね」なんて思いますか? 住民基本台帳法が総務省の所管法令かどうか、そりゃ私はよく知ってますけど、普通の国民や法曹はそれどうやって調べるのか総務省設置法?だったかなんだったかの根拠法を見ろ、総務省サイトから所管法令を見ろっていう話かもしれませんが、デジタル手続法の定め方として、どの府省の所管法令かをまず調べさせて、府省に判断させるって、縦割りの権化ではないですか? デジタル化のありかた、原則形態をばしっと法律で決めて、例外的な形態を、各府省令じゃなくてデジタル手続法自体か、デジタル手続法の所管庁が政令等で定めるべきじゃないですか。各府省に委ねているんですよ。しかも各府省令、ほぼコピペなんですよ。個人情報保護法ガイドラインが数十本あったのと同じで、縦割り主義の典型例で、主権者たる国民目線が欠如している法形式だと思います。

 

今回の例だと住民基本台帳法は、総務省所管法令なので、「総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則」を見ていくことになります。

 

 

4.各府省令を確認

 では、各府省令を具体的に見ていきましょう。

 総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則→

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=415M60000008048

 

(1)申請等の方法

住民票交付申請はデジタル手続法3条8号で定義されている「申請等」に当たります。ですので、デジタル手続法によって、オンライン化が可能となります(同6条1項)。具体的にどういう方法のオンライン化が可能かは、主務省令(ここでは「総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則」)に定められています。

主務省令を見てみると、あんまり実は内容がありません。「行政機関等の使用に係る電子計算機と、申請等をする者の使用に係る電子計算機であって当該行政機関等の使用に係る電気計算機と電気通信回線を通じて通信できる機能を備えたものとを電気通信回線で接続した電子情報処理組織」で、申請等が可能だよ、と書いてあるのですが、平たく言うと、「行政機関等のサーバと国民側のPC又はスマホ*2を電気通信回線でつなげたシステム」っていうことしか書いてないんですよね。そりゃ、オンライン化ってそういうことでしょう?トートロジーみたいな感じですが。

まあ、ここでの成果としては、要は、「行政機関等のサーバと国民側のPC又はスマホを電気通信回線でつなげたシステム」で、オンライン申請ができるよ、ということが、デジタル手続法6条1項、総務省令3条からわかったということです。

 

〇法

(電子情報処理組織による申請等)
第六条 申請等のうち当該申請等に関する他の法令の規定において書面等により行うことその他のその方法が規定されているものについては、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織(行政機関等の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)とその手続等の相手方の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。次章を除き、以下同じ。)を使用する方法により行うことができる。

総務省

(申請等に係る電子情報処理組織)
第三条 情報通信技術活用法第六条第一項に規定する主務省令で定める電子情報処理組織は、行政機関等の使用に係る電子計算機と、申請等をする者の使用に係る電子計算機であって当該行政機関等の使用に係る電気計算機と電気通信回線を通じて通信できる機能を備えたものとを電気通信回線で接続した電子情報処理組織とする。 

厚労省

(申請等に係る電子情報処理組織)

第三条 法第六条第一項に規定する主務省令で定める電子情報処理組織は、申請等が行われるべき行政機関等の使用に係る電子計算機と申請等をする者の使用に係る電子計算機であって当該行政機関等の使用に係る電子計算機と接続した際に当該行政機関等から付与されるプログラムを正常に稼働させられる機能(当該行政機関等からプログラムが付与される場合に限る。)を備えているものとを電気通信回線で接続したものとする。

国土交通省令

(申請等に係る電子情報処理組織)
第三条 法第六条第一項に規定する主務省令で定める電子情報処理組織は、申請等が行われるべき行政機関等の使用に係る電子計算機と申請等をする者の使用に係る電子計算機であって国土交通大臣が告示で定める技術的基準に適合するものとを電気通信回線で接続した電子情報処理組織とする。

文部科学省

(申請等に係る電子情報処理組織)
第三条 法第六条第一項に規定する主務省令で定める電子情報処理組織は、行政機関等の使用に係る電子計算機と申請等をする者の使用に係る電子計算機であって行政機関等が定める技術的基準に適合するものとを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。

 総務、厚労、国交、文科を並べて貼りつけましたが、厚労と国交は若干厳しめな書き方ですが、みんな大体言っていることは同じですね。

なぜ、各府省庁によって、電子情報処理組織まで異なってくるのか。内容が大体一緒なのに、細かな違いがあるっておかしくないですか?各法令によって、リスクレベルが違うからというのならわかりますが、省庁の所管法令ってものすごく膨大なわけで、リスクレベルだってそれぞれ違うというのに。

(2)申請等時に必要な手続

申請等する人は、以下をやらなければいけません(総務省令4条1・2項)。

  • 指定された事項を入力する
  • 電子署名を行い、電子証明書と合わせて送信(但し、電子署名以外であっても、行政機関等が指定する方法をやれば可

  

総務省

(電子情報処理組織による申請等)
第四条 情報通信技術活用法第六条第一項の規定により電子情報処理組織を使用する方法により申請等を行う者は、行政機関等の定めるところにより、当該行政機関等の指定する電子計算機に備えられたファイルに記録すべき事項又は当該申請等を書面等により行うときに記載すべきこととされている事項を、申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力して、申請等を行わなければならない。
2 前項の規定により申請等を行う者は、入力する事項についての情報に電子署名を行い、当該電子署名を行った者を確認するために必要な事項を証する電子証明書と併せてこれを送信しなければならない。ただし、行政機関等の指定する方法により当該申請等を行った者を確認するための措置を講ずる場合は、この限りでない。
3 法令(法律及び政令を除く。)の規定により同一内容の書面等を複数必要とする申請等(副本又は写しを正本と併せ必要とするものを含む。)について、第一項の規定に基づき当該書面等のうち一通に記載すべき又は記載されている事項を入力した場合は、その他の同一内容の書面等に記載すべき事項又は記載されている事項の入力がなされたものとみなす。

 

厚労省

(申請等の入力事項等)

第四条 法第六条第一項の規定により電子情報処理組織を使用して申請等を行う者は、当該申請等につき規定した法令の規定により書面等に記載すべきこととされる事項(次項に規定する事項を除く。)及び電子情報処理組織の使用に当たり必要な事項として行政機関等が入力を求める事項を、前条に規定する申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力して、申請等を行わなければならない。

2 前項の規定により申請等が行われる場合において、行政機関等は、当該申請等につき規定した法令(告示を含む。)の規定により添付すべきこととされる書面等又は電磁的記録に記載され、若しくは記録されている事項又は記載すべき若しくは記録すべき事項を、あわせて入力させることができる。

3 行政機関等は、申請等を行う者が、前項に規定する事項を入力する場合において、次の各号に掲げる場合(法第十一条の規定の適用がある場合を除く。)には、当該申請等について規定した法令(法律及び政令を除き、告示を含む。次項において同じ。)の規定にかかわらず、当該各号に掲げる事項の入力を要しないこととすることができる

一 申請等を行う者に係る次条第一項各号に掲げる電子証明書を送信するとき 申請等を行う者に係る住民票の写し、戸籍若しくは登記事項証明書又は印鑑証明書に記載された事項

二 電気通信回線を使用して行政機関等に登記情報(電気通信回線による登記情報の提供に関する法律(平成十一年法律第二百二十六号)第二条第一項に規定する登記情報をいう。)の利用を依頼するとき 当該登記情報に係る登記事項証明書に記載された事項

三 申請等を行う者が、その定款、事業報告書、貸借対照表又は損益計算書に記載された事項をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いている場合であって、行政機関等がこれらの情報を確認するために必要な事項を当該申請等に併せて入力するとき 当該定款、事業報告書、貸借対照表又は損益計算書に記載された事項

4 法令の規定に基づき同一内容の書面等又は電磁的記録を数通必要とする申請等を行う者が、第一項及び第二項の規定に基づき当該書面等又は電磁的記録のうち一通に記載すべき若しくは記録すべき事項又は記載され、若しくは記録されている事項を入力した場合は、その他の同一内容の書面等又は電磁的記録に記載すべき若しくは記録すべき事項又は記載され、若しくは記録されている事項の入力がなされたものとみなす。

 

国交省

 (電子情報処理組織による申請等)
第四条 法第六条第一項の規定により電子情報処理組織を使用する方法により申請等を行う者は、当該申請等を書面等により行うときに提出すべきこととされている書面等(次項に規定する書面等を除く。)に記載すべきこととされている事項その他当該申請等が行われるべき行政機関等が定める事項を、前条の申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力して、申請等を行わなければならない。
2 前項の規定により申請等を行う者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、当該申請等を書面等により行うときに併せて提出すべきこととされている書面等に記載され若しくは電磁的記録に記録されている事項又はこれらに記載すべき若しくは記録すべき事項を前項の電子計算機から入力しなければならない。
6 申請等を行う者は、次の各号に掲げるときは、当該申請等について規定した法令の規定にかかわらず、第二項の規定により入力しなければならない事項のうち行政機関等が指定するものについて入力を要しない
一 申請等を行う者に係る第三項各号に掲げる電子証明書を送信するとき。
二 電気通信回線を使用して提供される登記情報(電気通信回線による登記情報の提供に関する法律(平成十一年法律第二百二十六号)第二条第一項に規定する登記情報をいう。)の利用を行政機関等に依頼するとき
三 申請等を行う者に係る財務諸表等に記載された事項を、会社法施行規則(平成十八年二月七日法務省令第十二号)第二百二十三条に規定する電磁的方法により国土交通大臣が告示で定める期間を経過する日まで不特定多数の者がその提供を受けることができる状態に置くとき
四 法令の規定により添付すべきこととされている地形図、位置図その他の地図に表示すべき位置情報を、申請等が行われるべき行政機関等が指定する地理情報システムにより作成し、これを送信するとき

 

文科省

 (電子情報処理組織による申請等)
第四条 法第六条第一項の規定に基づき電子情報処理組織を使用する方法により申請等を行う者は、次の各号に掲げる事項を申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力して申請等を行わなければならない。
一 電子情報処理組織を使用する方法により申請等を行う場合において従うこととされている様式であって行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルから入手可能な様式に記録すべき事項
二 当該申請等を書面等により行うときに法令の規定に基づき添付すべき書面等又は電磁的記録に記載され若しくは記録されている事項又は記載すべき若しくは記録すべき事項(前号に掲げるものを除く。)

(電子情報処理組織を使用した申請等に係る特例)
第五条 申請等を行う者が、前条第一項の規定により行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルから入手可能な申請等様式に記録すべき事項を入力する場合において、申請等を行う者に係る同条第二項第三号に掲げる電子証明書を送信するときは、申請等を行う者に係る登記事項証明書であって、申請等を行う者の名称、所在地、代表者の氏名若しくは資格を確認するために添付を求めているもの又は申請等を行う者に係る住民票の写しであって、申請等を行う者の氏名、住所、性別若しくは生年月日を確認するために添付を求めているものに記載された事項について、入力を要しないものとすることができる。

  

(3)手数料の支払方法

手数料はどう支払えばいいかというと、主務省令の書きぶりがあまりに不明瞭ですが(総務省令5条)、申請時にクレジットカードの番号とか口座番号とかを書いておき、その方法でやれるということですかね。

総務省令  

(情報通信技術による手数料の納付)
第五条 情報通信技術活用法第六条第五項に規定する電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信技術を利用する方法であって主務省令で定めるものは、前条第一項の規定により行われた申請等により得られた納付情報により納付する方法とする。

 

厚労省

(申請等の入力事項等)

第四条 

5 法第六条第五項に規定する電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信技術を利用する方法であって主務省令で定めるものは、第一項に規定する申請等を行ったことにより得られた納付情報により当該手数料を納付する方法とする。

 

国交省

(情報通信技術による手数料の納付)
第五条 法第六条第五項に規定する主務省令で定める方法は、前条第一項の規定により行われた申請等により得られた納付情報により納付する方法とする。

 

文科省

(情報通信技術による手数料の納付)
第七条 法第六条第五項に規定する主務省令で定める方法は、第四条第一項の規定に基づき行われた申請等により得られた納付情報により納付する方法とする。

 

 (4)一部、オンライン化できない手続

 2のところで、デジタル手続法で定義されている「申請等」でも、主務省令で定める場合には、オンライン化が一部出来ない場合がある(法6条6項)と書きました。

その部分を確認してみると、以下の場合には、その部分だけはオンライン化できないと定められています(総務省令6条)。

  • 対面により本人確認をするべき事情があると行政機関等が認める場合
  • 原本を確認する必要があるものがあると行政機関等が認める場合

 

総務省令 

(申請等のうちに電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合)
第六条 情報通信技術活用法第六条第六項に規定する主務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 申請等をする者について対面により本人確認をするべき事情があると行政機関等が認める場合
二 申請等に係る書面等のうちにその原本を確認する必要があるものがあると行政機関等が認める場合

 

厚労省

(申請等のうちに電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合)

第七条 法第六条第六項に規定する主務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

一 申請等をする者について対面により本人確認をする必要があると当該申請等が行われるべき行政機関等が認める場合

二 申請等に係る書面等のうちにその原本を確認する必要があるものがあると当該申請等が行われるべき行政機関等が認める場合

三 申請等に係る事項に虚偽がないかどうかを対面により確認する必要があると当該申請等が行われるべき行政機関等が認める場合

 

国交省

 (申請等のうちに電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合)
第六条 法第六条第六項に規定する主務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 申請等をする者について対面により本人確認をするべき事情があると当該申請等が行われるべき行政機関等が認める場合
二 申請等に係る書面等のうちにその原本を確認する必要があるものがあると当該申請等が行われるべき行政機関等が認める場合

 

文科省

(申請等のうちに電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合)
第八条 法第六条第六項に規定する主務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 申請等をする者について対面により本人確認をするべき事情があると行政機関等が認める場合
二 申請等に係る書面等のうちにその原本を確認する必要があるものがあると行政機関が認める場合
2 前項の場合において、申請等のうちに電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分の提出は、行政機関等の定めるところにより、電子情報処理組織を使用する方法により申請を行った日から行政機関等の定める期間以内にしなければならない。

 

5.電子署名が必要なのか?

ここまで確認すると、電子申請等では、基本は電子署名が必要ということがわかりました。また対面本人確認や原本確認が必要な場合は、その部分は電子申請できないということもわかりました。

 

では、電子署名が不要な場合は、どういう場合なのか?

対面本人確認や原本確認が必要な場合は、どういう場合なのか?

これを疑問に持たれる方が多いと思いますので、その点を解説していきます。

 

(1)電子署名不要と誰が判断するのか

総務省令では、電子署名が原則ですが、電子署名以外であっても、行政機関等が指定する方法をやれば可とされています(主務省令4条2項)。

電子署名以外が可能かどうか、そしてその場合の方法を判断するのは誰かが問題ですね。しかしこの点、明確なクリアな回答はできないかもしれません。

法令上、電子署名以外が可能かどうか、そしてその場合の方法を判断するのは「行政機関等」となっていますが、これが「総務省」なのか、「地方公共団体」なのかが問題になります。

デジタル手続法上、「行政機関等」とは「行政機関(総務省等)」だけではなく「地方公共団体又はその機関」を含んだ概念です。デジタル手続法上、「申請等」も、「申請、届出その他の法令の規定に基づき行政機関等に対して行われる通知」という定義です。そして、住基法上、住民票の写しの交付申請は「市町村長」に対して行われます。つまり、ここでいう住民による申請等が行われる相手先は「市町村長」であって、デジタル手続法上の「行政機関等」も「地方公共団体」と解釈できるのではないかと私は思います。つまり、電子署名以外が可能かどうか、そしてその場合の方法を判断するのは「地方公共団体」と解釈できるのではないかと思うということです。ただ、当局見解は不明です。

総務省

(電子情報処理組織による申請等)
第四条 
2 前項の規定により申請等を行う者は、入力する事項についての情報に電子署名を行い、当該電子署名を行った者を確認するために必要な事項を証する電子証明書と併せてこれを送信しなければならない。ただし、行政機関等の指定する方法により当該申請等を行った者を確認するための措置を講ずる場合は、この限りでない。

 

厚労省

(電子署名等)

第五条 前条第一項の規定により電子情報処理組織を使用して行政機関等が電子署名を要することとしている申請等を行おうとする者は、入力する事項についての情報に電子署名を行い、当該電子署名に係る電子証明書であって、次のいずれかに該当するものと併せてこれを送信しなければならない。

一 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十二条の二第一項及び第三項(これらの規定を他の法令の規定において準用する場合を含む。)の規定に基づき登記官が作成した電子証明書

二 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項に規定する署名用電子証明書

三 電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省法務省経済産業省令第二号)第四条第一号に規定する電子証明書であって、行政機関等が定める技術的基準に適合するもの

四 その他行政機関等が指定する電子証明書

2 前項の場合において、当該申請等について、行政機関等が申請等を行おうとする者以外の者の電子署名を要することとしているときは、申請等を行おうとする者は、当該電子署名が行われた情報及び当該電子署名に係る電子証明書であって前項各号のいずれかに該当するものを併せて送信しなければならない。

3 前条第一項の規定により電子情報処理組織を使用して行政機関等が識別番号及び暗証番号の入力を要することとしている申請等を行おうとする者は、これらの番号を法第六条第一項に規定する申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力してその申請等を行わなければならない。

4 前条第一項の規定により電子情報処理組織を使用して行政機関等が識別番号及び暗証番号の入力並びに個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した符号その他の申請等を行う者を認証するための符号(以下「生体認証符号等」という。)の使用を要することとしている申請等を行おうとする者は、識別番号及び暗証番号を申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力し生体認証符号等を使用してその申請等を行わなければならない。

5 前条第一項の規定により電子情報処理組織を使用して行政機関等が識別番号の入力及び生体認証符号等の使用を要することとしている申請等を行おうとする者は、識別番号を申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力し生体認証符号等を使用してその申請等を行わなければならない。

6 前三項の規定による申請等を行おうとする者は、申請等を行う者の氏名又は名称その他必要な事項を行政機関等が指定する方法により届け出なければならない。ただし、行政機関等からあらかじめ第三項若しくは第四項の規定による申請等に係る識別番号及び暗証番号又は前項の規定による申請等に係る識別番号の通知を受けている者については、この限りでない。

7 行政機関等は、前項の届出を受けたときは、第三項若しくは第四項の規定による申請等に係る識別番号及び暗証番号又は第五項の規定による申請等に係る識別番号を付し、これらの番号を当該届出を行った者に通知するものとする。

8 前項の通知を受けた者は、第六項の規定により届け出た事項その他の行政機関等が指定する事項に変更があったとき、暗証番号を変更するとき又は識別番号及び暗証番号の使用を廃止するときは、遅滞なく、行政機関等が指定する方法により届け出なければならない。

 

(署名等に代わる措置)

第六条 法第六条第四項に規定する主務省令で定める措置は、次に掲げる措置とする。

一 電子署名を行い、前条第一項各号に掲げる電子証明書を当該申請等と併せて送信すること

二 前条第三項に規定する識別番号及び暗証番号を入力すること

三 前条第四項に規定する識別番号及び暗証番号を入力し生体認証符号等を使用すること

四 前条第五項に規定する識別番号を入力し生体認証符号等を使用すること

2 法第七条第四項及び第九条第三項に規定する主務省令で定める措置は、電子情報処理組織を使用して行う処分通知等に記録された情報又は電磁的記録により作成等が行われた情報に電子署名を行い、電子証明書を添付することとする。

 

国交省

 (電子情報処理組織による申請等)
第四条 3 申請等が行われるべき行政機関等が指定するところにより電子署名を行うこととされている申請等を行う者は、前二項の規定により入力された事項についての情報に電子署名を行い、その情報を当該電子署名に係る電子証明書であって次の各号のいずれかに該当するものとともに送信しなければならない
一 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十二条の二第一項及び第三項(これらの規定を他の法令の規定において準用する場合を含む。)の規定に基づき登記官が作成した電子証明書
二 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項に規定する署名用電子証明書
三 前二号に規定するもののほか、国土交通大臣が告示で定める電子証明書
4 申請等が行われるべき行政機関等が指定するところにより識別番号及び暗証番号を用いることとされている申請等を行う者は、事前に入手した識別番号及び暗証番号を第一項の電子計算機から入力しなければならない。
5 申請等が行われるべき行政機関等が指定するところにより識別番号及び暗証番号並びに生体認証符号等(個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した符号その他の申請等を行う者を認証するための符号をいう。以下同じ。)を用いることとされている申請等を行う者は、事前に入手した識別番号及び暗証番号を第一項の電子計算機から入力し、並びに同項の電子計算機において設定した生体認証符号等を入力しなければならない。

 

文科省

 (電子情報処理組織による申請等)
第四条 
2 電子情報処理組織を使用する方法により行政機関等が電子署名を要することとしている申請等を行おうとする者は、当該申請等に係る情報に電子署名を行い、当該電子署名に係る電子証明書であって、次の各号のいずれかに該当するものと併せてこれを送信しなければならない。
一 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十二条の二第一項及び第三項(これらの規定を他の法令の規定において準用する場合を含む。)の規定に基づき登記官が作成した電子証明書
二 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項に規定する署名用電子証明書
三 電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省法務省経済産業省令第二号)第四条第一号に規定する電子証明書であって、行政機関等の定めるもの
四 その他行政機関等の定める電子証明書
3 電子情報処理組織を使用する方法により行政機関等が識別番号及び暗証番号の入力を要することとしている申請等を行おうとする者は、これらの番号を申請等をする者の使用に係る電子計算機から入力してその申請等を行わなければならない。
4 前項の規定による申請等を行おうとする者は、あらかじめ当該申請等をする者の氏名又は名称その他の必要な事項を行政機関等が指定する方法により届け出なければならない。
5 行政機関等は、前項の届出を受けたときは、識別番号及び暗証番号を付し、これらの番号を当該届出を行った者に通知するものとする。
6 法令の規定に基づき同一内容の書面等を数通必要とする申請等を行う者が、第一項の規定に基づき当該書面等のうち一通に記載すべき又は記載されている事項を入力した場合は、その他の同一内容の書面等に記載すべき事項又は記載されている事項の入力がなされたものとみなす。

 

(署名等に代わる措置)
第六条 法第六条第四項に規定する主務省令で定める措置は、電子署名を行い、当該電子署名に係る電子証明書であって第四条第二項各号に規定する電子証明書のいずれかを当該申請等と併せて送信すること又は同条第四項に規定する識別番号及び暗証番号を電子計算機から入力することとする
2 法第七条第四項に規定する主務省令で定める措置は、電子署名を行い、当該電子署名に係る電子証明書であって行政機関等の定めるものを当該処分通知等と併せて行政機関等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録することとする。
3 法第九条第三項に規定する主務省令で定める措置は、電子署名を行い、当該電子署名に係る電子証明書であって行政機関等の定めるものを添付することとする。

しかし問題として、いくら「地方公共団体」が電子署名以外の方法で可と判断できると法令上規定されていたとしても、いい加減な判断で、「まあ、別に電子署名とかってできる人少ないし、違う方法でもよくない?」みたいな簡単な気持ちで、「電子署名以外も可」ですよ、とは言えません。

なぜなら、地方公共団体の判断が適正かつ合理的なものでなければ、主務省令4条2項但書の「行政機関等の指定する方法」がそもそも不適法であり、指定が違法という判断が裁判所によってなされなくはないからです。あくまで原則は電子署名で、例外として「行政機関等の指定する方法」があるという建付けなので、そういう判断がされる可能性があると私としては思います。裁判例を調査したわけでもなく、また実際に裁判所がそういう判断をするかどうかはわかりませんので、あくまで私としての考えですが、私としては法律論としてはそうなるんじゃないかなと思うのです。

 

総務省は、LINEによる住民票の写しの交付請求の件に関して、「電子情報処理組織を使用して本人から住民票の写しの交付請求を受け付ける場合の取扱いに係る質疑応答について(通知)」を出しています。

問2では、次のような記載があり、要は、住民票の写しの交付申請は、電子署名以外では受け付けてはダメよ、と書いてあります。この裏にある法律解釈としては、私としてはおそらく、電子署名以外が可能かどうか、そしてその場合の方法を判断するのは「地方公共団体」であるが、住民票の写しの交付申請については、主務省令4条2項但書に定める「行政機関等の指定する方法」として該当するものがないという判断が正しいのではないか、という総務省の技術的助言ではないかと読みました。

(問2)主務省令第4条第2項ただし書において、「行政機関等の指定する方法により当該申請等を行った者を確認するための措置を講ずる場合は、この限りでない。」と規定されていますが、住民票の写しの交付制度においても、地方公共団体が指定すれば、電子署名以外の方法で請求を行った者を確認することは可能でしょうか。
(答2)御指摘の主務省令第4条第2項のただし書は、総務省所管の一般的な行政手続の中で、①署名や押印を必要としていない手続、②従前からID・パスワード方式により実施している手続、③なりすましにより不当に利益を得ることができない手続について、ID・パスワード方式など電子署名以外の簡易な方法で申請等を行った者を確認するための措置を規定したものです。
住民票の写しの交付制度については、問1の回答のとおり、なりすまし等不当な手段による交付請求が行われることにより個人情報が漏えいすることを防ぐため、窓口における本人等請求の場合には、請求時に厳格な本人確認を行うことを求めていること(法第12条第3項)、書面による請求に当たっては、請求書に自署又は押印を求めていること(住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令(昭和60年自治省令第28号)第4条第1項及び住民基本台帳事務処理要領)から、主務省令第4条第2項のただし書の規定は適用できません

 

なお、国交省令は総務省令と書きぶりが違って、①電子署名、②識別番号及び暗証番号、③識別番号及び暗証番号並びに生体認証符号等っていう3つが併存で並んでいて、行政機関等が指定するってなってますね。

文科省令は、法6条4項に規定する主務省令で定める措置まで規定していて、①電子署名、②識別番号及び暗証番号ってなってますね。

 

総務、厚労、国交、文科省令を見てみたところ、結局、私としては地方公共団体において電子署名以外の方法を指定することができるものの、どういう場合に電子署名以外の方法を認めるかどうかの正しい基準みたいなものがないのかなと思いました。

これは、「行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法に関するガイドライン
(平成 31 年2月 25 日CIO 連絡会議決定)などを参考にするといいのかもしれませんが、同ガイドラインは詳しいものの、やはり抽象的なので、具体的な手続へのあてはめは悩むところかと思います。

cyberlawissues.hatenablog.com

(2)対面本人確認や原本確認が必要と誰が判断するのか

対面本人確認や原本確認が必要な場合は、誰が判断し、どういう場合なのか?

これも、法令上は、「行政機関等」が認める場合ですので(主務省令6条各号)、この場合における「行政機関等」は「地方公共団体」ではないかと思います。

しかし、どういうときに、「対面により本人確認をするべき事情があると認める」べきか、「原本を確認する必要があるものがあると認める」べきかは、法令からは全く明らかではありません。結局、リスク判断をして、より慎重に対面確認をするべきか、原本確認をするべきかで判断していくしかないように思います。もっとも、住基法上の住民票の写しの交付申請みたいに、郵便でもできると法令で認められているもので、特段犯罪等が起きていないものは、これまで通り、対面確認や原本確認をすべきとまでは認めなくてもいいのかなと私としては思います。

総務省

(申請等のうちに電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合)
第六条 情報通信技術活用法第六条第六項に規定する主務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 申請等をする者について対面により本人確認をするべき事情があると行政機関等が認める場合
二 申請等に係る書面等のうちにその原本を確認する必要があるものがあると行政機関等が認める場合

 

6.リンク

*1:「提示」じゃなくて「提出」で良いとかっていうのが、対面原則っぽい感じですね

*2:スマホは「電子計算機」に該当するかという論点が本当はありうるとは思いますが、まあ該当しないっていう解釈の方が現実に反しているので、ここではPCとスマホ両方が「電子計算機」に該当するという前提で書いています。