ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

AMED研究データ利活用に係るガイドライン

www.amed.go.jp

 

AMEDが上記ガイドラインを今年3月に出していたようなので、ブログにメモ。

但し、個人情報保護法独立行政法人個人情報保護法の問題としては、これまで通りというか、法律を遵守しなければならないため、このガイドラインによって何か画期的な方法が認められているわけではなく、原則として本人同意。次世代医療基盤法を活用すると良さそう。

  • AMED が委託する各委託研究開発の過程で創出、取得又は収集される研究開発データは、当該事業において、最終的に製品開発、論文発表、特許出願等の成果を生み出す源泉となるものであると同時に、それ自体が重要な価値を持ちうる研究開発成果である。
  • 研究開発データを含む研究開発成果の利活用は、大学・研究機関・企業等により個別独立に行うだけでなく、機関や専門分野の枠を越えた多くのプレイヤーによる利活用促進を拡大することが、我が国のオープンサイエンス推進の基本姿勢とされている。
  • データマネジメントプラン
    AMED が委託している各委託研究開発において、どのような研究開発データが創出、取得又は収集され、それがどのように利活用される予定であるかを、受託者である各大学・研究機関・企業等及び委託者であるAMED 双方が把握しておく
  • データ又はデータカタログの公開
    一部の研究開発データについては、データベースを通じて研究開発データ自体を公開することを求めている。
    また、研究開発データ自体を直ちに公開しない場合であっても、当該契約期間中のものを含めどのような研究開発データが存在するのかを外部の第三者が把握できるように、当該契約の一部の研究開発データについて、データカタログに記載された研究開発データを利用したいと考える大学・研究機関・企業等と、当該研究開発データを創出、取得又は収集した受託者をマッチングするためのデータカタログを作成・公表することを検討する予定である。
  • AMED の公的資金を用いた各委託研究開発に共通で適用される委託研究開発契約においては、委託研究開発に関連して創出、取得又は収集されるあらゆる研究開発データを第三者に開示又は提供することを原則として禁止した上で、予め AMED が公表するデータに関するガイドライン上で許容されている場合又は予め AMED の承諾を得た場合に限り、第三者に開示又は提供することを可能としている(委託研究開発契約第 12 条の 2第 2 項)。かかる規定を受けて、本ガイドラインにおいては、以下の場合に限り、受託者が、研究開発データを第三者に対して開示又は提供することを認めるものとする。
    ① 個別研究開発課題毎のデータマネジメントプランで設定する公開方法に従って公開する場合
    ② 別途 AMED の承諾を得て第三者とデータシェアリングをする場合
  • データシェアリング
    非制限公開データ、制限公開データ、制限共有データ、非公開データに分けられる。受託者によってデータシェアリングが適切に行われない場合、AMED は、受託者に代わって、データシェアリングを行うことができる(なお、当該費用は原則として受託者が負担する。)。
  • 研究者は AMED の資金提供によって得られたデータをもとに知的財産権を取得できる。但し、研究開発データを活用した 2 次的研究の実施や、それにより得られる成果の実用化の機会を増やすため、本ガイドラインの趣旨に沿った当該知的財産権の適切な活用・行使等を推進する。
  • もっとも、受託者は個人情報保護法独立行政法人個人情報保護法を遵守しなければならないため、原則として本人同意が必要。