ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

マイナンバー庁内連携条例制定支援ガイドブック公表!

ほとんどの自治体では、庁内連携条例の対応が完了しているものと思いますが、現行の庁内連携条例では問題がある場合もあり(→参考情報として私の講演資料をどうぞ。コチラ)、できれば今一度精査が必要だと思います。

そういう状況は私の方では前から聞こえてはいたのですが、私はいかんせん、自治体業務をやったことがないので、法制面はわかっても、業務面がわからず、庁内連携条例の表を埋める部分はどうもご支援が難しいなと思っていたところ、とても良いものに出会ってしまいました。

地プラです。地域情報プラットフォームです。これはすばらしい。

これがあれば、自治体業務標準がわかります。そうすると、これを基にすれば、庁内連携条例の表があらかた埋められます。もっとも、地プラはあくまで標準ですので、ここから凸凹がありますので、その確認は必須ですが、元があるのとないのとでは全然違います。

実際に、いくつかの市で、地プラを基に庁内連携条例を精査して、6月議会を目指されていらっしゃいますが、
今般、APPLICさんにおいて、地プラを基にした庁内連携条例制定のためのガイドブックを公表されました!
コチラです。パスワードが別途必要ですので、パスワードのお問い合わせはinfo@applic.or.jpさんまでお願いいたします。


すばらしい・・・ 地プラにもっと早く出会っていれば、もっと早く情報提供ができ、もっと精度の高い条例案文を公表することができたのに・・・
さらには、もっと早く出会っていれば、地プラを基に私が特定個人情報保護評価書の記載例を書いて、例文として公表することができたのに・・・ そしたら特定個人情報保護評価書がいくらコピペだとしても、コピペの元の精度が上がるので、少なくとも今よりはよい結果になったのではないか、などといろいろと思うところです。

世の中には本当に有用なものというのがいっぱいあるのですね。それを知っているか知らないか、かなり大きいと思います。もっと早く地プラに出会っていれば、という気持ちが強いですが、まあせっかく出会えましたので、これからは地プラというものの存在を認識して、いろいろと活用させていただきたいと思っているところです。

私が思う地プラの活用としては、

  • 番号制度の活用方法の具体的ガイド
    • 番号制度対応をするのに必死で、活用というところまでまだ行っていない行政も多いのではないかと思い、業務効率化・住民利便性向上に番号制度を役立たせるための具体的ガイドを地プラを基にする
  • 法解釈・条例解釈
    • 番号制度対応をするのに必死で、法解釈、条例解釈に不安が残る方もいないとはいえないのではないかと思い、情報提供をする。
  • 法改正対応
    • 番号制度に限られず、自治体ICTには法改正対応が必須で、全国一律の法改正内容であっても、2000の自治体がばらばらに法改正対応をすると、その労力がもったいない気がするので、法改正をシステム要件に落とし込むところを、どこかで一括してやれば、省力化・コストカット(ベンダーへの設計費の削減)が図れるのではないか
  • 特定個人情報保護評価をより良くする
    • 地プラを基にすれば、特定個人情報保護評価書の一定の欄が埋まる。これをベースに、コピペ文化ではなく、あるべき評価への転換を図る。なんなら記載例を水町私見として出す。間違ったものがコピペされると誤りが拡散する。そもそも、どういうことを記載欄に書くべきなのか、その理解をまず促すべきではないか。
  • マイナポータル対応
    • マイナポータルが国民利便性向上のカギ。しかし実際問題として、マイナポータルをどう活用し、どう利便性向上を図っていくか手探りなところも。これを地プラで、できることの例をいくつか提示することで、マイナポータルの活用がしやすくなるのではないか。