ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

政府はマイナンバーカードを普及させたいようだが、本当に安全なのか考える

政府は、ポイントを付与する等して、マイナンバーカードを普及させようとしています。ポイントで国民を釣るってことは、なんか裏があるんじゃないですか? そもそもマイナンバーカードって安全なのですか?漏えいしたら大変なことになるんじゃないですか?

 

今日は、マイナンバーカードに関する疑問に回答していきたいと思います。随時更新予定です。また、これを基にいろいろPDF資料とかも作ろうかなと思っています。

消費税増税に伴うマイナンバーカードの全国ポイント付与についての、私の感想は既にブログで書きましたが、上記のような疑問を持つ方も多いのではないかと思います。

  • マイナンバーカードって本当に安全なの?
  • なんで、マイナンバーカードでポイントがたまるの?脱税を防ぐカードだったのでは?何か裏があるの?
  • マイナンバーカードってあんまり誰も持ってないんでしょ?そんなの、何のためにあるの?税金の無駄だからやめた方がいいんじゃない?
  • QRコード決済でも問題起きたし、大丈夫なの?
  • 個人情報がダダ漏れになるんじゃないの?
  • そもそも、マイナンバーって、大騒ぎした割に、使って無くない?
  • マイナンバーカードって、なんか面倒だって聞いたけど?
  • 住基ネットとか住基カードって昔あったけど、何が違うの?
  • 日本って、個人情報に甘いよね。GDPRみたいにもっと厳しくした方がよくない?

などと、さまざまな疑問をお持ちなのではないかと思います。そこで、ブログ等で、マイナンバーカードに関する疑問に答えていきたいと思います。

 

今日はまず、マイナンバーカードの基本から解説したいと思います。

 

ポイントは以下の3点です。

 

1.マイナンバーとマイナンバーカードは別物

  • マイナンバーは社員番号、マイナンバーカードは社員証みたいなもの。
  • 社員証は社員食堂の支払いや、プリンタでの印刷、入退館カード、出退勤カードとしてなど幅広く使えるが、マイナンバーカードもマイナンバーの範疇を超えていろいろ使えます。

 

2.マイナンバーカードを落とした場合は、社員証を落としたような事態に陥る

  • マイナンバーカードを落としたり、他人に見られたら心配ですよね?でもマイナンバーカードを落としたりした場合のデメリットは、社員証を落とした場合のデメリットとほぼ同じです。

 

3.マイナンバーカードを使うけど、実はマイナンバー自体を使ってない

  • すごくわかりづらいけれども、マイナンバーカードを使っていても、実際にはマイナンバー自体は使わず、別の「カード用の番号」で処理されています。
  • マイナンバーは、税・社会保障・災害対策・預貯金付番以外では使えないが、マイナンバーカードは、マイナンバーさえ使わなければこれら4分野以外でも使える。この制度は、マイナンバー以外の別の番号やIDが多すぎて、とても一般に理解不能な制度になっています。

 

マイナンバーとマイナンバーカードは別物

 

重要なことは、「マイナンバー」と「マイナンバーカード」は違うモノだということです。一般的には、「マイナンバー制度=マイナンバーカード」と理解されている向きもあるようですが、これらは別物です。

 

たとえると、以下のような感じです。

  • マイナンバー
    =国版お客様番号、国版社員番号、国版学生番号
  • マイナンバーカード
    =国版お客様カード、国版会員カード、国版社員証、国版学生証

 

マイナンバーといえば、脱税防止などに使うものですが、なぜ政府は、マイナンバーカードをポイントカードにしようとするのでしょうか。

 

これは、社員証で考えるとイメージがつかみやすいと思います。

社員番号は、会社の手続で使います。会社の各種書類への記載、PCログイン、研修の受講時等に入力等するかと思います。

これに対して社員証は、というと、PCログイン、研修の受講チェック、出退勤管理(タイムカード)、社員であることの証明(福利厚生サービスを受ける時など)などのほか、ビルの入退館カード、社員食堂の支払、売店の支払、コピーやプリンタ出力、身分証明書としての利用など、さまざまな形で活用される場合があります。

 

社員番号は、平たくいうと、「あなたは誰か」ということを示すコードであって、Yahoo!IDやGoogle IDの会社版みたいなものですが、

社員証は、社員番号が書いてあるというだけではなくて、さらに社員番号の範疇を超えて、いろいろと使うことができます。社員食堂の支払いを社員証でピッとやればできたり、タイムカードの代わりになったり、プリンタにかざすことで印刷が可能になったり、重要な部屋に入る際の認証カードになったり、さらには会社とは別の場所でも身分証明書として使える場合もあります。

 

マイナンバーカードを使うけど、実はマイナンバー自体を使ってない

 

マイナンバーに話を戻すと、

マイナンバーは、国が、「あなたは誰か」ということを把握するためのコードです。マイナンバーは、税・社会保障・災害対策・預貯金付番でしか基本的に使えません。もし、これら以外で使えば、違法になってしまい、訴えれば国や自治体、会社を敗訴に追い込むことが可能です。

これに対し、マイナンバーカードは、

  1. マイナンバーが書いてあるカードであるので、自分のマイナンバーを証明することができる
  2. しかしマイナンバー部分を使わずに、単純にICカードとしての機能のみを活用することもできる

のです。

給与や報酬、保険金の支払いを受ける会社などから、「マイナンバーカードか通知カードを出してください」といわれるのは、このうち1の使い方をしているのです。

これに対して、マイナンバーカードをポイントカードとして使うときとか、保険証として使うとき、カジノ入場で使うときなどは、2の使い方をするのです。

マイナンバーカードは、マイナンバーが書いてあるけど、マイナンバーが書いてあってもなくても、ICカードなので、便利にいろんな場面で使うことができます。しかも、公的機関の発行したカードで、一人必ず一枚で、重複付与がありません。だから、IDと違って、一人が複数個を使い分けることはできません。また実在が確認された人にしか配られないカードなので、他人名義のなりすましの危険性を低く抑えることができます。

マイナンバーカードに対して、例えば身分証提示を求められない会員登録であったり、ID付与の場合、偽名での登録も可能です。身分証提示を求められる会員登録でも、その提示された身分証が古いかもしれません。それに対してマイナンバーカードの場合、今、住民票に記載されている人にしか発行されません。しかも住民票住所と氏名・生年月日等が一致していることを、自治体窓口で目で見て確認します。もちろん、受け取りの際になりすましたり、正規に発行・受け取られたカードを偽造したりされる危険性というのはゼロではありませんが、通常の会員登録やID付与よりも、なりすましリスクが低いということが言えます。

SuicaPasmoといった交通系ICカードも、電車の乗り降りだけではなくて、コンビニの買い物や、自動販売機のお買い物、駅とは関係ないショップでのポイント付与などにも使えます。

マイナンバーカードもICカードなので、SuicaPasmoみたいに、いろいろと便利に使えるよ、さらにいうと、SuicaPasmoと違って、必ず一人一枚しかもらえず、かつ住民票を確認して発行されているカードであるということで、厳しく本人確認しなければならない場面などでも、活用できるカードです。

例えば、銀行口座を作る時って、3カ月以内に発行された住民票を持ってきてくださいとか言われたりしますよね? マイナンバーカードの場合は、住民票に記載のあるその人に発行されるカードなので、銀行口座開設、オンラインバンキングのログインなど、本人確認を厳格にやらないといけない場面でも、本当は活用できます。銀行、証券、保険、クレジットカードなどをネットでやろうとしても、本人確認書類を郵送してくださいっていうのが、結構手間だったりしますよね。本当はマイナンバーカードがあれば、紙を郵送する手間はいらずに、パソコンでピッとやれば済むのです。

 

また、マイナンバーカードの場合、受け取ったときと、氏名や住所が変わったかどうかも、すぐ確認できます。役所の手続とか保険の手続とかで、「現住所が変わってないですか?」とか毎年お手紙が来て面倒なものがありますが、これらも本当はマイナンバーカードをピッとやれば、氏名・住所が変わってないこともさっと確認することができるのです。

 

というように、実は便利なマイナンバーカード。しかし、なんだかこれを使うのは怖いな、という方も多いのではないでしょうか。

 

マイナンバーカードを落とした場合は、社員証を落としたような事態に陥る

 

マイナンバーカードを使うと、もし落としちゃった場合に、個人情報がダダ漏れになったり、なにが起こるかわからなくて怖いよ!と思う方も多いかと思います。

マイナンバーカードを落とすと、どんな事態が起こりうるでしょうか?

社員証を落としたような事態が起こります。

つまり、社員証に書いてある情報は他人にばれてしまいますよね?どこの部署とか顔写真とか生年月日とかです。また社員証をつかえる機能を悪用されて、自分になりすまされて、社員食堂で何か食べて自分に支払わさせる悪人がいるかもしれませんし、自分になりすまされて、ビルに入り込む人がいるかもしれません。

マイナンバーカードを落としても同じです。マイナンバーカードに書いてある情報は他人にばれてしまいます。氏名、顔写真、住所、生年月日などです。またマイナンバーカードで使える機能を悪用される可能性があります。例えば、eTaxやマイナポータルのログイン、住民票自動発行などです。落としたら、すぐに停止の連絡をしましょう。

 

問題は、マイナンバーカードの場合は、裏にマイナンバーが書いてあるということです。しかしこのマイナンバーを基に、個人情報がダダ漏れになることはありません。

 

社員番号が書かれた社員証を落としても、社員番号と紐づいた情報がダダ漏れにはならないのと同じです。会社のITシステムでは、社員番号と給与額・賞与額・毎年の評価(上司からの評価・部下からの評価等)・扶養家族の情報などが紐づいている可能性があります。しかし、社員番号が他人に知られたとしても、これらの情報がダダ漏れになることはありません。なぜなら、社員番号でこれを調べようと思ったら、これらの情報が置いてある場所に入り込むしかないからです。そしてこれらの情報が置いてある場所に入り込めるなら、それはもう社員番号なんかいらずに、氏名などで検索もできるでしょうし、全件見ることすら可能です。

同じように、マイナンバーが書かれたマイナンバーカードを落としても、マイナンバーと紐づいた所得額・年金保険料額・年金未納かどうか・家族情報などの情報がダダ漏れになることはありません。マイナンバーでぐぐっても、それらの情報は出てきません。所得や年金情報、家族情報等が置かれている場所に入り込まなければ、情報は見られません。

所得や年金情報、家族情報等はどこに置かれているでしょうか。勤務先や国税庁日本年金機構自治体などです。これらの場所は、紙で情報管理している場合でも、侵入されないよう入退室管理・施錠管理等をしているでしょうし、ITで情報管理している場合でも、侵入されないような対策を講じています。もちろん、ニュースを見ているとサイバー攻撃のニュースや個人情報漏えいのニュースなどがあり、怖いですが、マイナンバーとは関係なく、サイバー攻撃は起こりうるわけです。マイナンバーがあることによって、サイバー攻撃されやすくなる、というわけではありません。

 

また、所得や年金情報、家族情報等を見る権限がある人、つまり税務署職員、自治体職員、勤務先の給与担当者などが不正をする可能性を考えます。これらの人にとってみれば、マイナンバーがあろうがなかろうが、すでにいろんな人の所得情報を見ることができます。マイナンバーで検索することもできるでしょうが、氏名などでも検索できますし、そもそも全件見ることができるでしょう。つまり、内部不正者にとって、マイナンバーがあることで、より情報が盗みやすくなるかというと、そういうわけではありません。

 

ここまで長文を読んでくださった方は、「では、なんでそんなんだったら、あんなにマイナンバーは怖い、マイナンバーは大事ですと言ったのか?嘘くさくないか?」とお思いかもしれません。

 

マイナンバーの怖さは、何なのでしょうか。マイナンバー自体がわかったところで、ただの数字の羅列ですから、「え?あの人って、マイナンバーが123番なの?恥ずかしいね」などと人に言われることはありません。これに対して、給与額が分かってしまうと、「え?あの人って、年収〇万円なの?」などといわれてしまうかもしれません。

つまり、その情報単体での価値はありません。

マイナンバーの危険性は、「紐づけの危険性」「索引情報としての危険性」です。マイナンバーを鍵にして、いろいろな情報をくっつけることができるよ、という怖さです。

 

話がちょっと変わりますが、ネット炎上事例などで、特定の人のハンドルネーム、IDなどを頼りに、Facebook, Twitter, Blog, Instagram, 掲示板での書き込みなど、その人が過去にさまざまな場所で書きこんだ内容が特定されることがあります。これは、ハンドルネームやIDなどで検索して、さまざまな情報を調べることができた事例と言えるでしょう。

また、氏名でGoogle検索すると、さまざまな情報を見つけられる場合があります。自分が知っているその人は、〇会社のなんとかさんという情報だけなのに、Google検索したら、前職の情報が出てきたので、以前▲会社のこのポジションについていたのだな、などの情報を得られたりします。また仕事と全然関係ない趣味のマラソン大会の成績などがヒットすることもあります。これは、氏名で検索して、さまざまな情報をしらべることができた事例と言えるでしょう。

しかし、ハンドルネームやID、氏名の場合、おんなじものを使っている他人がいる場合があります。氏名なんかは同姓同名者がいます。ハンドルネームなどもそうです。なので検索だけでは、同じ人物のものなのか判然としない場合があります。

 

これに対し、マイナンバーは一人一個なのです。同姓同名の他人ならず、同マイナンバーの他人というのはいないのです。

そうすると、その人の情報を正確に名寄せすることができます(=紐づけることができます)。

 

同姓同名がいないからこそ、年金や税金などの処理に効果を発揮します。脱税疑いの人の収支を調べる際に、同姓同名者の収入が混ざってしまうと大変です。また脱税疑いの人が途中で姓を変えたとしても、マイナンバーで調べれば一発でわかります。

 

しかし、同姓同名、同マイナンバーがいないからこそ、さまざまな情報を正確に紐づけることができてしまうという危険性があります。

 

例えば、グーグル検索で氏名で検索すると、いろんな情報が今でも出てきますが、何か知られたくない情報が仮に表示されたとしても、「いや、これは同姓同名の別人だよ」と言えるかもしれません。またそもそも有名人で自分と同姓同名の人がいたりすると、自分の情報は上位に表示されません。また、大変ではありますが、氏名は変更することも可能ではあります。

これが、もし例えばグーグル検索でマイナンバーを入力すると、さまざまな情報が出てきてしまったとすると、「いや、これは同マイナンバーの別人だよ」ということはできません。有名人で自分と同マイナンバーの人も絶対にいません。

そこで、グーグルでマイナンバー検索すればいろんな情報が出てしまえば、マイナンバーさえ他人に知られてしまうと、さまざまな情報を人に知られてしまう危険性があります。

 

これが、マイナンバーの危険性です。

 

そのために、マイナンバー法では、マイナンバーに対し様々な規制をかけているのです。Googleマイナンバー検索していろいろな情報が表示できないように法規制されています。マイナンバーは基本的に公的機関がメインで使います。民間企業が使うのは、公的機関に対する手続(税務手続、社会保障手続など)です。マイナンバーとがっつり所得情報や脱税疑い情報、年金未納情報などを紐づけて管理するのは、公的機関だけです。

また、公的機関全体でも、国版Googleのようなものは作らせません。公務員がもし誰かのマイナンバーがわかれば、公的機関の持つ情報がいっぱい表示されるような、そんな機能はありません。

税務署なら税務署の情報だけしか見られません。自治体もそうです。年金機構もそうです。しかも、自分の担当の仕事の情報しか見られません。

もっとも、他自治体や、他保険者から情報をもらう場合などもありますが、それも法令で許可された場合だけ可能です。例えば、港区から千代田区に引っ越してきた人が、千代田区で区営住宅に申し込んだけど、その人の前年所得を知るためには、千代田区が港区に問合せする、などは、法令で許可されています。

このように、Google検索みたいに、何かをキーワードに、マイナンバーをキーワードにいろいろな公的機関が持っている情報を全部調べるような機能は許されていません(=法律違反で違法となり、訴えれば勝てるし、仮に国が隠れてこういう違法行為をしないように第三者機関も設置され日々監視している)。

また、マイナンバーが漏えいした場合は、マイナンバーの変更が可能です。

 

だいぶ長くなってきましたが、あと重要なのは、マイナンバーカードの中身を盗み見ることはできません社員証を落としても、社員食堂で何食べたか等はわからないし、給与額がわからないように、マイナンバーカードを落としても、所得額などはわかりません(これらの情報はマイナンバーカードの中には入っていません)。そしてマイナンバーカードは耐タンパ性があり、中身を盗み取ることもできません。

 

ちょっと長すぎて息切れしてきましたので、そのほかのマイナンバーに関しての疑問については、別の日に改めたいと思います。マイナンバーに関して聞きたいことがあれば教えてください。

 

マイナンバーの課題等についてまとめた水町作成資料にも、リンクを貼っておきます。

消費増税対応ポイントをマイナンバーカードでとの件

headlines.yahoo.co.jp

 

全国共通ポイントにするということ、あとポイントが25%付与されるという点、この2点は非常に大きいと思います。自治体ポイントってあまりにも地味で使い道がありませんが、全国共通ポイントになることで、少し道が開けてきたかなと思います。ただ、結局は、自治体ポイントみたいに、参加店が少ないと、活用されづらいとは思います。

ポイント付与率が25%とは、ずいぶん思い切りましたね。これ、1%とか2%だったら、ほぼみんな使わないと思いますが、25%とは!

 

私の想像よりも、良い展開になっているとは思います。

 

ただ、問題は保険証ですかね。保険証発行をやめてマイナンバーカードに切り替える保険者が、どれぐらい多いか次第ですかね。しかしこれまたあまり多くならなそうな予感がしているのと、あとはもし仮にマイナンバーカードに切り替える保険者が多くなった場合、オンライン資格確認がそれに耐えられるかという問題もあり。

 

私としては、前にブログに書きましたが、やはり東京オリンピックのチケット先行発売に、マイナンバーカードを使った人には当選倍率をあげるとか、一次受付はマイナンバーカードのみとかにすれば、よかったと思いますが、あとはなんでしょうかね、派手な施策が思いつきませんが、地味目な話でいえば、役所の一般来場者用の入退館カードにするとか、並ばないで済む機能(パスポート取得とかでマイナンバーカードで手続すれば、並ばずさっともらえるとか?)とかがいいですかねえ。

 

ふるさと納税で、マイナンバーカードを使えば、還元率を40%とか50%まで可能とかにするとかはどうですか?これやったら、そこそこマイナンバーカードの取得率高まりそうかなと思います。

ふるさと納税、還元率が30%とのことで、例年より、同じ返礼品に対する寄付額が上がっている気がしていますが、そこを逆手にとって、マイナンバーカードで手続すれば、高還元率!とか、あとはあれですね、Amazonポイントを自治体側がつけちゃいけないっていうことですが(ふるなびとか楽天側がポイントくれるならいいけど)、マイナンバーカードでふるさと納税すれば、自治体ポイントがたまって、たまった自治体ポイントをもとに、さらにふるさと納税できるとかにしたらどうでしょうか?ポイント付与率を10%以上にするととてもいいと思います。10万寄付したら1万ポイントたまれば、かなりお得ですよね。5%の付与率でも、10万寄付したら5000ポイントだと、時価1500円ぐらいの返戻品になるわけだし。または、自治体ポイントが、あんまりこういうがめつい系になるとよくないのだとしたら、貯まった自治体ポイントを特定非営利法人とか公益財団法人に寄付できるとかはどうでしょうか。

 

あと前に、マイナンバー改善PDF中かなんかで書きましたが、マイナポータルから納税したら、納税額の何パーセントかをポイントとして付与してくれたらどうでしょうか。国税、住民税、個人事業税、固定資産税、自動車税とか、税っていろいろ多いし、税だけじゃなくて、健康保険料、年金保険料、教育費(公立学校、給食費、保育費)などもマイナポータルから支払えるようにして、さらに支払額の何パーセントかを自治体ポイントとして付与してくれたらどうでしょうか。

 

マイナンバーカードの普及のための展開とか、マイナンバーのより一層の効果的活用のための展開とか、普通にブレストすればいくらでも案は出てくると思うのですが、なんか、国の施策って、案がしょぼいっていうか、「これ、誰が思いついたの?」「あんまり考えずに、言われたことただ書いただけじゃないの?」みたいな施策が結構散見されますが、今回、全国共通ポイントにしたっていうのと、25%のポイント付与率っていうのはすごく良いと思うので、ふるさと納税とか、マイナポータル納税とか、役所の入退館(一般来場)とか、あとその他、いろいろ、考えていただけるとうれしいな、と、マイナンバーを愛している私としては、そういう風に思います。

 

いずれ、カードというよりは、マイナンバー本体の活用という観点から、抜本的見直しが必要だとは思っています。何らかの形でさらにこちらとしても力強く発信していきたいなと思っているところです。

最近は、仕事に追われ、趣味的なマイナンバー改善のための活動とかPIA活動が滞っておりますが、いつかはやっていきたいと思っています。

仕事の実績

過去にやったお仕事について、事務所Webサイトに載せていたりしたんですが、更新するのが面倒くさくて、いったん作ってからほぼ更新していませんでした。

ある程度、実績として量が載っていれば、最新の実績を入れなくても別にいいかなとか思ったりもしたのですが、ちょこちょこと追記してみました。

 

あと、役所関連の会議・委員・実証支援。これもWebサイトに載せているのですが、日々の仕事をこなすのにいっぱいいっぱいで、自分がやっている会議名や実証名がなんだったかがよくわからなくなるので、もらった資料を探したり、Web検索したりで、以下の実績を Webサイト(自分の紹介ページ)に追記しました。

  • 厚生労働省「医療等分野におけるネットワーク基盤利活用モデルに関する調査研究」支援(2018年~2019年)
  • 総務省自治体データ庁内活用相談会」委員(2018年~2019年)
  • 総務省地方公共団体におけるAI活用に関する調査研究」支援(2019年~2020年)
  • 総務省自治体AIクラウド化検討会」委員(2019年~2020年)
  • NISC(内閣サイバーセキュリティセンター)「サイバーセキュリティ関係法令の調査検討等を目的としたサブワーキンググループ」構成員(2019年~2020年)

 

総務省の今年度のって、「自治体AIクラウド化検討会」っていう名前だったんですね。なんか、違う名前だった印象だったのですが、自分が何をやっているのかがさっぱりわからなくなっているという…。「どこどこの民間事業者が事務局を請け負っていて、そこから連絡が来る、総務省のAIの会議」とか、そういう認識の仕方なので、正式名称が把握できていないという。

 

あと、地電協の追記するの忘れました。経産省の協力っていうのも追記するの忘れました。AMEDのも書こうかと思ったけど忘れました。ずいぶん抜けがあるなあ…。

あと今年度は、まだ委嘱手続が終わっていないけど委嘱されそうなものが2個と、もう少したったら公表できそうなのが1個ありますが、これも時間が経つとWebサイトに追記するの忘れてしまいそうですね。

都度、決まったらOR公表できるタイミングになったら、ブログに書いておいて、1年に1度ぐらいの頻度で、ブログに書いたものをWebサイトに追記していくとかいうやり方がいいのかな。

巡り合わせ(雑記)

お客様とのめぐりあわせって、すごいなあと思ったことがあったので、ブログに書いています。

数年前から企業法務全般のご相談をいただいている企業があるのですが、その企業さんが、今やっているビジネスに関して、個人情報保護条例と個人情報保護審議会のご相談を私にされたんですね。

変な話、手前味噌で恐縮ですが、個人情報保護条例の解釈できる弁護士ってあんまりいないし、さらにいうと、個人情報保護審議会のご相談を受けられる弁護士っていうのもめったにいないわけで、こういうご相談案件が、ピンポイントに私のところに来るっていうのも、すごい巡り合わせだなあと思いました。

 

お客様の中には、インターネット検索や人づてで、個人情報保護法や個人情報保護条例、独立行政法人個人情報保護法、次世代医療基盤法の相談をしたいっていうことで、私のところにいらっしゃるお客様ももちろんいらっしゃいますが、そういう方から個人情報保護条例や審議会のご相談が来るならわかりますが、たまたま数年前からずっと全般的なご相談をお受けしている会社さんから、審議会のご相談が来るとは。

 

まあ、自治体から、審議会の相談を受けることはそこそこありますが、企業から審議会の相談を受けるのは珍しいです。自治体から相談を受ける場合は、審議会委員になってくれっていう相談のほか、これは審議会に諮問する案件なのかどうかという相談(条例上、諮問が必要か、又は必要でないにしても諮問した方がよいか)、審議会に諮問したとしたらどういう反応が考えられるか、などのご相談があります。まあお知り合いの自治体職員さんが中心のご相談になりますが。

 

あと、別件で、この前情報公開関連のご相談もいただきまして、これも、普通に請求行為の代理であれば、弁護士でやる人も、少ないながらもいるとは思いますが、普通の請求行為の代理ではないご相談だったんで、私としては興味のある分野だしやりたいし、でも弁護士としてやりたいと思っても、なかなか巡り合わない案件だよなと思ったりして、こういうお仕事とかお客様とのめぐりあわせって、運っていうか、なんだかすごいなと思った次第です。

情報公開請求といえば、担当の公務員さんの側もいろいろと大変だなと思います。大量請求への対応が大変なのは当然ですが、そうではない、私が個人的に請求したりするときに、電話がかかってきて、「これはこのままではないから直してくれないか?」と言われたので、「いや、△という資料があるはずではないか。もしないなら不存在で打ってください」とか私が言うと、「不存在って何ですか?」とかって答える公務員の人とかいてですね、省庁によるのかもしれませんが、情報公開法に詳しくないものの窓口業務をやっている公務員さんなんだろうなあと思って、別に私も非協力的なわけじゃなくて、できる限り請求の補正はするんですが、公務員側のおっしゃっている意味がよくわからないときは「だったら、そのまま不存在で決定だしてください」っていったりしてですね。なんか話それましたが、昨日、厚労省厚生労働省改革若手チームの発表見ても思いましたが、担当する法律が多すぎて、制度把握とかが大変なんだと思うんですよね。抜本的に公務のあり方を見直した方がいいと思うんですね。だって、情報公開一つとってもですよ、法律の担当は総務省だけど、各省に窓口があって、各省の窓口のほかに原課が担当するわけですよ。で、窓口も原課も、もっといえば法律の担当だって1~2年で異動になるわけで、その中で「不存在ってなんですか?」って答える人がいたとしてもおかしくはないですよね。縦割りで重複作業をいろんな役所でやっているっていうのが、そもそも仕事量がもったいないので、もっと集約すべきではないでしょうか。各省の裁量とかっていう建前はあったとしても実態が回っていないのではないでしょうか。原課も、総括ラインと担当ラインが重複して存在しているのも、本当に仕事量が無題に増えて、無駄な伝言ゲームができて、もったいないと思います。また働いていない人を働かせるべきです。民間だと、働いていない人は窓際部署に回されたり、ボーナスが低かったり、みんなから冷たい目で見られますが、公務員だと働いていないのに、椅子に長く座っているだけの人が大手を振るっていたり、もっと迷惑なのは、何にもわかってないくせに態度と声が大きい人がめちゃくちゃなことを言うせいで、そのしりぬぐいを他の人でやらないといけない点などですかね。話がそれましたが、厚労の若手の声っていうのはもっともな話が多いので、そこを踏まえてちょこっと改革するとかそういうことよりも、公務のあり方を抜本的に変えないと、はっきりいって昭和がまだ現存しているのが役所ですから、そこを抜本的に変えないと、あと10年もしたら霞が関が沈没する可能性はそこそこ高いと思うんです。現代は、社会課題が複雑すぎて、社会課題の把握がとても難しいのに、そういうことを現状だと霞が関では行えずに、行き当たりばったりの政策も散見されます。こういういわゆる質の低下も、公務のあり方を抜本的に見直して、やるべき仕事、注力すべき仕事は何かを明確化することで、解消できるのではないかと思います。ロジとか単純作業の担当を誰にするかっていうのを明確に決める、あとは政策立案とかも霞が関の能力を高めるとともに、もう少し外注して、調整作業だけ霞が関でやってもいいのかなと思います。話がそれましたが、公務の改革というものについてはずっと関心あるテーマなので、またブログに書いてみたいと思います。

未成年者・認知症の患者さん等の同意について

個人情報保護法上、本人の同意取得といっても、未成年者や認知症の患者さん等の場合、どうすべきかという問題があります。

考えると、かなり複雑な論点で、現状ではおそらく解はないと言えるぐらいの難問のように思いますが、とりあえず検討に際して、現状のガイドラインなどを整理しておこうと思います。

 

個人情報保護委員会個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」

  • 「本人の同意」とは、本人の個人情報が、個人情報取扱事業者によって示された取扱方法で取り扱われることを承諾する旨の当該本人の意思表示をいう(当該本人であることを確認できていることが前提となる。)。
    また、「本人の同意を得(る)」とは、本人の承諾する旨の意思表示を当該個人情報取扱事業者が認識することをいい、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、本人が同意に係る判断を行うために必要と考えられる合理的かつ適切な方法によらなければならない。
  • なお、個人情報の取扱いに関して同意したことによって生ずる結果について、未成年者、成年被後見人被保佐人及び被補助人が判断できる能力を有していないなどの場合は、親権者や法定代理人等から同意を得る必要がある。

〇同Q&A

  • Q1-58 何歳以下の子どもについて、同意をしたことによって生ずる結果を判断できる能力を有していないものとして、法定代理人等から同意を得る必要がありますか。
  • A1-58 法定代理人等から同意を得る必要がある子どもの具体的な年齢は、対象となる個人情報の項目や事業の性質等によって、個別具体的に判断されるべきですが、一般的には12歳から15歳までの年齢以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要があると考えられます。

厚生労働省個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス 」

  • 患者・利用者が、意識不明ではないものの、本人の意思を明確に確認できない状態の場合については、意識の回復にあわせて、速やかに本人への説明を行い本人の同意を得るものとする。なお、これらの場合において患者・利用者の理解力、判断力などに応じて、可能な限り患者・利用者本人に通知し、同意を得るよう努めることが重要である
  • 8.家族等への病状説明
    法においては、個人データを第三者提供する場合には、あらかじめ本人の同意を得ることを原則としている。一方、病態によっては、治療等を進めるに当たり、本人だけでなく家族等の同意を得る必要がある場合もある。家族等への病状説明については、「患者(利用者)への医療(介護)の提供に必要な利用目的(III1.(1)参照)と考えらえるが、本人以外の者に病状説明を行う場合は、本人に対し、あらかじめ病状説明を行う家族等の対象者を確認し、同意を得ることが望ましい。この際、本人から申出がある場合には、治療の実施等に支障を生じない範囲において、現実に患者(利用者)の世話をしている親族及びこれに準ずる者を説明を行う対象に加えたり、家族の特定の人を限定するなどの取扱いとすることができる。一方、意識不明の患者の病状や重度の認知症の高齢者の状況を家族等に説明する場合は、本人の同意を得ずに第三者提供できる場合と考えられる(III5.(2)②参照)。この場合、医療・介護関係事業者において、本人の家族等であることを確認した上で、治療等を行うに当たり必要な範囲で、情報提供を行うとともに、本人の過去の病歴、治療歴等について情報の取得を行う。本人の意識が回復した際には、速やかに、提供及び取得した個人情報の内容とその相手について本人に説明するとともに、本人からの申出があった場合、取得した個人情報の内容の訂正等、病状の説明を行う家族等の対象者の変更等を行う。なお、患者の判断能力に疑義がある場合は、意識不明の患者と同様の対応を行うとともに、判断能力の回復にあわせて、速やかに本人への説明を行い本人の同意を得るものとする。
  • 患者が未成年者等の場合、法定代理人等の同意を得ることで足りるが、一定の判断能力を有する未成年者等については、法定代理人等の同意にあわせて本人の同意を得る
  • 診療等のために必要な過去の受診歴等については、真に必要な範囲について、本人から直接取得するほか、第三者提供について本人の同意を得た者(III5.(3)により本人の黙示の同意が得られていると考えられる者を含む。)から取得することを原則とする。ただし、本人以外の家族等から取得することが診療上又は適切な介護サービスの提供上やむを得ない場合はこの限りでない
  • 親の同意なく、十分な判断能力を有していない子どもから家族の個人情報を取得してはならないただし、当該子どもの診療上、家族等の個人情報の取得が必要な場合で、当該家族等から個人情報を取得することが困難な場合はこの限りでない
  • 病態等について、本人と家族等に対し同時に説明を行う場合には、明示的に本人の同意を得なくても、その本人と同時に説明を受ける家族等に対する診療情報の提供について、本人の同意が得られたものと考えられる。同様に、児童・生徒の治療に教職員が付き添ってきた場合についても、児童・生徒本人が教職員の同席を拒まないのであれば、本人と教職員を同席させて、治療内容等について説明を行うことができると考えられる
  • 介護関係事業者については、介護保険法に基づく指定基準において、サービス担当者会議等で利用者の個人情報を用いる場合には利用者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いる場合には家族の同意を、あらかじめ文書により得ておかなければならないとされていることを踏まえ、事業所内への掲示によるのではなく、サービス利用開始時に適切に利用者から文書により同意を得ておくことが必要である
  • 7.本人の同意「本人の同意」とは、本人の個人情報が、個人情報取扱事業者によって示された取扱方法で取り扱われることを承諾する旨の当該本人の意思表示をいう(当該本人であることを確認できていることが前提となる。)。また、「本人の同意を得(る)」とは、本人の承諾する旨の意思表示を当該個人情報取扱事業者が認識することをいい、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、本人が同意に係る判断を行うために必要と考えられる合理的かつ適切な方法によらなければならない。なお、個人情報の取扱いに関して同意したことによって生ずる結果について、未成年者、成年被後見人被保佐人及び被補助人が判断できる能力を有していないなどの場合は、親権者や法定代理人等から同意を得る必要がある。
    個人情報保護法ガイドライン通則編と同様。
  • 10.遺伝情報を診療に活用する場合の取扱い遺伝学的検査等により得られた遺伝情報については、本人の遺伝子・染色体の変化に基づく体質、疾病の発症等に関する情報が含まれるほか、その血縁者に関わる情報でもあり、その情報は生涯変化しないものであることから、これが漏えいした場合には、本人及び血縁者が被る被害及び苦痛は大きなものとなるおそれがある。したがって、遺伝学的検査等により得られた遺伝情報の取扱いについては、UNESCO国際宣言等(別表6参照)、別表5に掲げる指針及び関係団体等が定める指針を参考とし、特に留意する必要がある。また、検査の実施に同意している場合においても、その検査結果が示す意味を正確に理解することが困難であったり、疾病の将来予測性に対してどのように対処すればよいかなど、本人及び家族等が大きな不安を持つ場合が多い。したがって、医療機関等が、遺伝学的検査を行う場合には、臨床遺伝学の専門的知識を持つ者により、遺伝カウンセリングを実施するなど、本人及び家族等の心理的社会的支援を行う必要がある。

厚生労働省文部科学省「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」

  • (17) 代諾者
    生存する研究対象者の意思及び利益を代弁できると考えられる者であって、当該研究対象者がインフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断される場合に、当該研究対象者の代わりに、研究者等又は既存試料・情報の提供を行う者に対してインフォームド・コンセントを与えることができる者をいう。
  • (18) 代諾者等
    代諾者に加えて、研究対象者が死者である場合にインフォームド・コンセントを与えることができる者を含めたものをいう。
  • (19) インフォームド・アセント
    インフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断される研究対象者が、実施又は継続されようとする研究に関して、その理解力に応じた分かりやすい言葉で説明を受け、当該研究を実施又は継続されることを理解し、賛意を表することをいう。
  • 第13代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合の手続等
    1 代諾の要件等
    (1) 研究者等又は既存試料・情報の提供を行う者が、第12の規定による手続において代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合には、次に掲げる要件がいずれも満たされていなければならない。
    ア 研究計画書に次に掲げる事項が記載されていること。
    ① 代諾者等の選定方針
    ② 代諾者等への説明事項(イ(ア)又は(イ)に該当する者を研究対象者とする場合には、③に関する説明を含む。)
    ③ イ(ア)又は(イ)に該当する者を研究対象者とする場合には、当該者を研究対象者とすることが必要な理由 
    イ 研究対象者が次に掲げるいずれかに該当していること。
    (ア) 未成年者であること。ただし、研究対象者が中学校等の課程を修了している又は 16 歳以上の未成年者であり、かつ、研究を実施されることに関する十分な判断能力を有すると判断される場合であって、次に掲げる事項が研究計画書に記載され、当該研究の実施について倫理審査委員会の意見を聴いた上で研究機関の長が許可したときは、代諾者ではなく当該研究対象者からインフォームド・コンセントを受けるものとする。
    ① 研究の実施に侵襲を伴わない旨
    ② 研究の目的及び試料・情報の取扱いを含む研究の実施についての情報を公開し、当該研究が実施又は継続されることについて、研究対象者の親権者又は未成年後見人が拒否できる機会を保障する旨
    (イ) 成年であって、インフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断される者であること。
    (ウ) 死者であること。ただし、研究を実施されることが、その生前における明示的な意思に反している場合を除く。
    (2) 研究者等又は既存試料・情報の提供を行う者が、第12の規定による手続において代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合には、(1)ア①の選定方針に従って代諾者等を選定し、当該代諾者等に対して、第12の3の規定によるほか(1)ア②の説明事項を説明しなければならない。
    (3) 研究者等又は既存試料・情報の提供を行う者が、代諾者からインフォームド・コンセントを受けた場合であって、研究対象者が中学校等の課程を修了している又は16歳以上の未成年者であり、かつ、研究を実施されることに関する十分な判断能力を有すると判断されるときには、当該研究対象者からもインフォームド・コンセントを受けなければならない
    2 インフォームド・アセントを得る場合の手続等
    (1) 研究者等又は既存試料・情報の提供を行う者が、代諾者からインフォームド・コンセントを受けた場合であって、研究対象者が研究を実施されることについて自らの意向を表することができると判断されるときには、インフォームド・アセントを得るよう努めなければならない。ただし、1(3)の規定により研究対象者からインフォームド・コンセントを受けるときは、この限りでない。
    (2) 研究責任者は、(1)の規定によるインフォームド・アセントの手続を行うことが予測される研究を実施しようとする場合には、あらかじめ研究対象者への説明事項及び説明方法を研究計画書に記載しなければならない。
    (3) 研究者等及び既存試料・情報の提供を行う者は、(1)の規定によるインフォームド・アセントの手続において、研究対象者が、研究が実施又は継続されることの全部又は一部に対する拒否の意向を表した場合には、その意向を尊重するよう努めなければならない。ただし、当該研究を実施又は継続することにより研究対象者に直接の健康上の利益が期待され、かつ、代諾者がそれに同意するときは、この限りでない。 

〇同ガイダンス

  • (1)ア①の「代諾者等の選定方針」については、一般的には、次の①から③に掲げる者の中から、代諾者等を選定することを基本とする。
    ① (研究対象者が未成年者である場合)親権者又は未成年後見
    ② 研究対象者の配偶者、父母、兄弟姉妹、子・孫、祖父母、同居の親族又はそれら近親者に準ずると考えられる者(未成年者を除く。)
    ③ 研究対象者の代理人(代理権を付与された任意後見人を含む。)
    ただし、画一的に選定するのではなく、個々の研究対象者における状況、例えば、研究対象者とのパートナー関係や信頼関係等の精神的な共同関係のほか、場合によっては研究対象者に対する虐待の可能性等も考慮した上で、研究対象者の意思及び利益を代弁できると考えられる者が選定されることが望ましい。また、代諾者等からインフォームド・コンセントを受けたときは、当該代諾者と研究対象者との関係を示す記録を残すことも重要である。
  • 3 (1)イ(イ)の「成年であって、インフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断される者」に関連して、成年後見人による医療の同意権に関する見解が法律家の間で定まっていないことを踏まえ、研究目的での医療行為、特に、通常の診療を超える医療行為であって研究目的で実施するものや、研究対象者に直接の健康上の利益が期待されないもの(例えば、傷病の予防、診断及び治療を目的としない採血、薬物投与など)について、研究対象者に成年後見人、保佐人等が選任されている場合に、それらから代諾者を選定することの適否は慎重に判断すべきものと考えられる。
  • 成年後見人、保佐人等が選任されていることのみをもって直ちにインフォームド・コンセントを与える能力を欠くと判断することは適当でなく、個々の研究対象者の状態のほか、実施又は継続される研究の内容(研究対象者への負担並びに予測されるリスク及び利益の有無、内容等)も踏まえて判断する必要がある。 なお、インフォームド・コンセントを与える能力を欠くと判断されるか否かによらず、成年後見人、保佐人等が選任されている人は通常、第1の⑥の「社会的に弱い立場にある者」と考えられ、研究対象者とすることの妥当性を慎重に判断するとともに、特別な配慮が求められる。
  • 5 (1)ア③の「当該者を研究対象者とすることが必要な理由」に関して、自らインフォームド・コンセントを与えることができる研究対象者から取得することが十分可能な試料・情報を、インフォームド・コンセントを与える能力を欠く者から取得することは適当でない。代諾者からインフォームド・コンセントを受けて実施する妥当性が認められ得るのは、基本的に、その研究対象者とする集団(例えば、乳幼児、知的障害者、施設入所者など)に主として見られる特有の事象に係る研究に限られることに留意する必要がある。
  • 6 研究対象者から受けたインフォームド・コンセントに基づいて研究を実施した後に当該研究対象者が傷病等によりインフォームド・コンセントを与える能力を欠くに至った場合であって、当該研究対象者に研究が継続され、又は当該研究対象者から既に取得した試料・情報の取扱いが変更されようとするときには、第 13 の1(1)及び(2)の規定により適切な代諾者を選定し、そのインフォームド・コンセントを受ける手続を行うこととなる。なお、(1)のア③の規定により、インフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断される者を引き続き研究対象者とすることが必要な理由があらかじめ研究計画書に記載されていることが前提であり、当該研究の実施について倫理審査委員会の意見を聴いて研究機関の長が許可している場合に限られることに留意する必要がある。
  • 7 (1)イ(ア)の「未成年者」は、民法の規定に準じて、満 20 歳未満であって婚姻したことがない者を指す。
  • 8 (1)イ(ア)及び(3)の「中学校等の課程を修了」については、日本における中学校等の課程を想定しており、外国の中学校等の課程を修了した場合においては、基本的に 16 歳以上であることを要件とする。「中学校等」には、中学校に相当する特別支援学校などが含まれる。
  • 9 (1)イ(ア)及び(3)の「研究を実施されることに関する十分な判断能力を有すると判断される」に関して、中学校等の課程を修了している又は 16 歳以上の未成年者について、健常な精神の発達及び精神的な健康が認められれば、基本的に、研究を実施されることに関する十分な判断能力を有するものと判断してよい。なお、侵襲を伴う研究に関しては、そうした研究対象者単独で有効なインフォームド・コンセントを与えることはできず、親権者等の代諾者からインフォームド・コンセントを受けた上で、(3)の規定により、当該研究対象者からもインフォームド・コンセントを受ける必要がある。 代諾者からインフォームド・コンセントを受けて研究を実施した場合であって、その後に研究対象者が中学校等の課程を修了し、又は満 16 歳に達し、研究を実施されることに関する十分な判断能力を有すると判断されるに至った以降も、当該研究対象者に研究が継続されるときには、当該研究対象者からインフォームド・コンセントを受ける必要がある。なお、代諾者から受けた同意に基づいて当該研究対象者から既に取得済みの試料・情報について、その同意の範囲内で解析等する場合は、この限りではない。
  • 10 (1)イ(イ)の「成年であって、インフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断される者」について、その典型例として、傷病により意識不明の状態となっている患者、昏睡状態となっている人などが考えられる。なお、認知症統合失調症等の診断がなされていることのみをもって直ちに「インフォームド・コンセントを与える能力を欠く」と判断することは適当でなく、個々の研究対象者の状態のほか、実施又は継続される研究の内容(研究対象者への負担並びに予測されるリスク及び利益の有無、内容等)も踏まえて判断する必要がある。「客観的に判断される」とは、その研究の実施に携わっていない者(必ずしも医師に限らない。)からみてもそう判断されることを指し、例えば、2人以上の医療・介護従事者(互いに異なる職種が望ましい。)による確認や、代諾者となり得る者(家族等)との話し合い、地域の相談支援専門員・介護支援専門員等との連携などが考えられる。関係学会・職能団体等において示されたガイドライン等があれば、研究の内容に応じて適宜参照し、研究計画書に反映することが望ましい。 (1)イ(イ)に該当する者として代諾者からインフォームド・コンセントを受けて研究を実施した場合であって、その後に研究対象者が(1)イ(イ)に該当しなくなった(インフォームド・コンセントを与えることができる状況に至った)以降も、当該研究対象者に研究が継続されるときには、当該研究対象者からインフォームド・コンセントを受ける必要がある。なお、前項と同様、代諾者から受けた同意に基づいて当該研究対象者から既に取得済みの試料・情報について、その同意の範囲内で解析等する場合は、この限りではない。

資料感想

  • 医療系は、議論がそこそこ詰まっている

論点

  • 未成年者と親の場合、利益相反をどう考えるべきか。児童虐待している親が、子供の個人情報を開示請求するケースもあるが、これは不開示決定できる。さらに親に知られたくないという未成年者の利益をどう考えるべきか、親と未成年者で意見が異なった場合に、法定代理人たる親の意思だけを常に優先するべきではないこともあるのではないか。
  • 未成年者の同意について、個人情報保護法Q&Aでは一般的には例えば12から15才以下としているが、それ以上の年齢については、法定代理人の同意不要とは一概には言えないのではないか。
  • 認知症の患者さん、重篤精神障害の患者さんの場合等は、法定代理人が存在しないケースも多い。この場合、誰の同意を取得すべきか。さらにいえば、法定代理人が存在したとしても、成年後見人等は、法律行為の代理がメイン業務であり、手術への同意、個人情報の取扱い同意などの、一身専属的なものに近いもの、生活に密着した行為などについての同意が実際上できるのかという問題もあり、もっと広げると、成年後見制度の利用率が低い現状などをどう考えるかという問題にもつながりうる。
  • 医療ガイダンスにもあるが、親の同意なく、子どもから親の個人情報を収集してはならないという点については、論点というよりは、そう考えるべきという話だろう。
  • 派生論点として、家族への個人情報の提供(高齢の親の情報を子供に知らせる等)の論点あり。あとは、親の年収や戸籍・住民票を子供に知らせるかどうかなど。子供にしてみれば、養育費請求や、それよりも実際問題としては学費免除要件や奨学金などで親の年収等を証明しなければならない場合もあるが、親がおかしかったり没交渉だと、情報を教えてくれなかったりして、経済的に困窮していても、学費免除が受けられなかったりする。
  • さらに派生論点として、死者の情報を遺族に教えるかどうかという論点あり。死者の個人情報に対する開示請求権を認めている自治体あり。実際例としては、いじめ自殺した子どもの情報開示、医療過誤や事件事故が疑われる死亡者について遺族への情報開示等。相続手続に必要な範囲などでの死亡者情報の開示等も実際例としてはありそう。銀行口座情報すら相続人に教えてもらえなかったりする場合もある。

リラックマごゆるり渋谷グッズを頂戴いたしました

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リラックマさんが、渋谷区観光大使に就任されたそうで、ごゆるり渋谷グッズ、ハチコラボ、キイロイトリはモアイコラボでしょうか。とってもかわいい渋谷コラボグッズをいただいてしまいました。

本当にかわいいです!ありがとうございました。

早速、事務所の会議室にぬいぐるみを飾っておきました。

 

ちなみにうちの事務所はエントランスにリカちゃんが飾ってあり、いらっしゃるお客様は「かわいいですね」などとおっしゃってくださるのですが、リカちゃんは私が飾っているものではなくて、別の者がお客様からいただいたものです。

が、このリラックマは私が頂戴して私が飾っています!かわいいです!

 

合わせてマイナちゃんグッズもいただいてしまいました。こんなにいっぱいいただいてしまい、恐縮です…。

なんと、マイナちゃんだけではなくて、マイキーくんのシルエットもあるんです。マイナンバー愛がすごいグッズですね。

貴重なレアグッズをたくさん頂戴してしまい、恐縮です。

赤身牛のビステッカをいただきました

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お客様とご一緒させていただき、赤身牛のビステッカをいただきました。本当にものすごくおいしかったです。とても柔らかくて、お肉のうまみたっぷりでした。脂身が少ない赤身だと、お肉のうまみがダイレクトに味に直結するように思いますが、本当に信じられないぐらいおいしかったです。

心より御礼申し上げます。