ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

朝日新聞にコメントしました

2024年5月16日『(時時刻刻)マイナ活用、むしろ負担 書類網羅できず紙併存 照会に時間・エラー』

 

24.5.18追記

www.asahi.com

 

会計検査院の調査結果は概要しかまだ読めていませんので、のちほどゆっくり読ませていただければと思っていますが、会計検査院の調査は本当に良かったと思います。会計検査院にはこのような調査を今後もお願いしたいところです。

 

今回の件、私は2017年作成の下の資料の29P、31-32Pで、すでに指摘しているのですが、なぜ、地道な調査・改善をしていかないのですかねえ。

https://www.miyauchi-law.com/f/171115mynumber_kadai.pdf

 

赤字箇所のみ24.5.18追記

www.jbaudit.go.jp

ちょっと言葉足らずだったので、追記。年金や地方税などはとても活用されているようで、かつ利用量も年々増えているようで、良いことだと思います。実際、自治体職員さんに聞いてみても、地方税担当課は、これまで情報を出す側だったので、情報提供NWSによって効率化したというような声も聞いたことがあります。これについては、正当に評価すべきです。「マイナンバーだから全叩き」というのはおかしく、効果が出ているところは正しく評価すべきです。

ただ、問題は、さらなる改善です。年金や地方税の現状の投資効果を公開していくとともに、年金や地方税だって、さらに情報提供NWSやマイナンバーを活用することは可能な余地があるかもしれず、そういった検討をしていくべき(例えば、年金や地方税情報についてもあまりマイナンバー制度を活用していない自治体があれば理由を探るとか、情報提供NWSのさらなる拡充とか、情報提供NWS以外の日々の業務運用のさらなる効率化とか。年金や地方税だって、意外とまだまだマイナンバーを活用できる余地はあるのではないか。)だと思います。

加えて、年金・地方税以外については、確実に見直しが必要でしょう。というか、見直しの前に、まずは現状分析を定期的に行って公開しないと、効果が出ている/出ていないすら、客観検証ができないので。そこはやらないと。


他方で、情報提供NWSのシステム機能としては、対象手続が増えようが減ろうが、そもそも変更はないから、年金・地方税以外の手続があまり使われていなくても、そもそも費用があまり変わらないのではという指摘もあります。システム機能面はそうだと思うのですが、標準レイアウトの問題、法改正の問題、これらすべてベンダーコストだけじゃなくて、国・地方の公務員人件費にも絡んでくるわけで、トータルコストを見て、考えていくべきであり、結局、全体としてどのようなコスト(公務員人件費含む)がかかっていて、どのような効果が出てるかを情報公開しないと、透明化が図れないのではないかと思います。

 

話は変わりますが、ここ数年、日々の仕事と講演・執筆・メディア等の〆切に追われ、それ以外のことは、ブログを書くぐらいしかできていませんでした。「はじめの一歩を踏み出そう」を読み、またお手伝いしてくださる方の好意にも恵まれ、少しずつではありますが、意識が変わってきて、自分の仕事を、自分の人生を、自らの意思でマネージできるように進んでいきたいと思っています。日々の仕事と〆切でアップアップで、関係者との交流、自己研鑽、広報などが、全くできていなかったわけです。限られた時間を、何に振り分けるか、それを考えるためには仕組化が必要で、頑張っていきたいと思っているところです。また、「はじめの一歩を踏み出そう」についてもブログに書きたいと思います。

あと、余裕があるときに、「私が考える改善すべき施策」などをPDFでまとめたいかなと。公共実証事業の評価、政策評価、選挙の際の情報提供義務、政策立案時の対応などについてです。