eGov労働関係電子申請をやってみてつらかった
私は行政デジタル化を支援する立場の人間ですが、それとはまったく関係なく、自分自身が申請者として、eGovで労働関係の申請を電子申請でやってみました。
めちゃくちゃつらい!
電子申請の方が移動時間や紙入力時間の短縮になるかなと思ってやってみましたが、これなら紙で郵送申請が一番楽じゃないでしょうか。それか、いっそ窓口行ってその場で教えてもらいながら補正して出しちゃった方が一発で終わりませんか、と思いました。
別の手続は社労士さんにお願いしていて、一部手続だけ自分でやっているんですよ。本当につらくて、全て社労士さんにお願いすればよかったなあとつくづく思ったレベルです。
何がつらいか
- 入力画面がつらい
→入力画面がこれまでの紙書類そのまま?かなにかで、縦長のブラウザで横長の入力画面に入力しなければならない 例:36協定 - 電子申請の画面からすぐに記載例や手続案内に飛べない?
→本当は飛べるのかもしれないが、私の能力では、どのリンクをクリックすれば記載例や添付書類として必要なものなどが書かれたページに行けるのかがわからなく、eGov上の複数のリンクをクリックして探し回るより、Google検索でたどりつくかAIに教えてもらった方が早い。 - 何度も繰り返し入力する
→申請者情報と連絡先情報は1クリックで使いまわせるが、肝心の入力画面上の代表者情報とか事業所情報は手打ちしなければならない
→そんなシステム設計は普通はないから、これ、私の使い方が間違ってます? 入力画面上の代表者情報とか事業所情報欄に読み込ませるためには、個別入力画面ごとにその処理を構築しなければならず、工数増のため、断念したのでしょうか?
→あと、返戻で戻ってきたら、前に手打ちした内容を使いまわせず、1から手打ちし直さないといけない。これ、まさかそんなシステム設計普通はないから、私がわかってないだけ? eGovヘルプデスクに聞いたら手続所管に聞いてと言われて、手続所管に聞いたらソフトによってできるかもしれないけど、eGovでできるかこちらでは案内できないと言われた。 - 電子申請前の電子チェックが足りない?
→「送信」ボタン押す前に、自動チェックが走って、「〇欄が空欄です」とかって画面上で教えてくれる仕組みが一般的です。eGovでもそういう仕組みはあるものの、チェックが足りないようで、電子申請後に、当日中に「担当者名の氏と名は一文字あけてください」「〇欄には0以外の半角数字を入力してください」というメッセージが返戻できました。これは、電子申請前に画面上で教えてくれませんか? イレギュラーエラーだったからしょうがないのか? - 返戻理由を開くのが大変
→まずeGov画面上で返戻があることがわかります。その返戻画面の添付資料であるZIPファイルをダウンロードします。ZIPを解凍するとXMLとXSLファイルしかなく、恥ずかしながら開き方がわからずヘルプデスクに電話したところ、Edgeから「IEモードで開く」で開いてくださいと教えてくれました。IEモードで無事開けましたが、返戻理由にたどり着くまでの操作数の多さが地味につらい。そしてがんばって返戻理由にたどり着いたと思ったら、改行もない読みづらい画面。返戻理由も素人が読んでもよくわからない(画像ファイルを添付するなというような理由だったけど、私は画像ファイルは添付していないはず)。なので、電話して聞くしかない。
→つらい。
電話して事務センターに聞いたところ、私のようにeGovで電子申請している人は少ないのかもと思いました。社保税OSSだとすると、人事給与ソフトからの自動連携でやっている人の方が多いのでしょうかね。
東京都のデジタルサービス会議委員なども務めさせていただいておりますが、都では、「より早く」「よりシンプルに」「より使いやすく」を3原則として、行政手続デジタル化の品質基準を以下のように定めているそうです。
- Level0:デジタルだが不便
- Level1:当たり前品質
- Level2:魅力的品質
- Level3:オンライン申請しか考えられない

https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/business/procedure/digitalqualitymap
https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/digitalservice/qos-guideline
eGov労働電子申請はLeveo0かなと思ってしまいました。
といっても、人事給与ソフトからの自動連携なら使い勝手がもしかするとよいのかもです。誰にお勧め(人事給与ソフト連携がおすすめ)で、それ以外の人もeGovからできるけど、ちょっと面倒だよとかって最初の画面で書いてあるとわかりやすいかもしれません。
要改善
- 既存帳票をそのまま使いたいというニーズはわかるが、既存帳票は電子入力に向かない
→既存帳票を活かすパターンと、既存帳票にしばられないパターンを2パターン用意する。
→ただ、そうするとコスト増にはなる。予算がないのであれば、既存帳票を活かすパターンと活かさないパターン、どちらのニーズが多いか検討し、前者のニーズが多い(∵社労士や人事労務担当者からすれば既存帳票の方がありがたい可能性高い。人事給与システムの自動連携ならなおのこと)のであれば、後者は諦める。後者用に、テキストやもしもし相談ダイヤルなどで注意書きしたり補助したりする。 - 電子申請の画面から記載例や手続案内など、申請者が欲する情報にリンクをわかりやすく貼る
→これはテキストベースの修正なので、外部に流出する費用なしでできるので、すぐやれるはず。これも結局、社労士と人事給与ソフト使っている人事担当者をメインターゲットに考えていて、それ以外の人をターゲット設定していないことが原因なのか??? - 返戻理由をわかりやすくする
→なぜZIP→XMLなのか。返戻なしのすんなりOKが多いからそれをXMLで飛ばして、社労士ソフトかなんかで消し込む処理のためなのか?
→一般人向けに、返戻理由の確認の仕方を、返戻メッセージの中にわかりやすく書き込めば。これはテキストベースの修正なので、外部に流出する費用なしでできるので、すぐやれるはず。
→よくある返戻理由は、やはり電子申請前の画面チェックに変えるべきでは。予算の関係でできないのであれば、電子申請前の確認画面で注意喚起するとか。これも、人事給与ソフト側で自動チェックしているから省いたんだとしたら、人事給与ソフトの自動連携じゃなくて、eGov手打ち画面から遷移した人に電子申請前の確認画面で注意喚起するとか。カスタマージャーニーが踏まえられていないことが原因の気がする。