ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

マイナンバーがあるのに、なぜコロナで困った人の支援に役立たないのか

FBでご意見を読んで、なるほどなと思って、今度ブログに書こうと思ったこと。

  • マイナンバーがあるのに、なぜコロナで困った人の支援に役立たないのか」
  • 「他国はうまくいっているのではないのか」
  • 「水町は、マイナンバーとどういう関わり方だったのか。なぜこんなに特別定額給付金についてブログでいっぱい書いているのか。」

 

簡単に頭出しすると、以下のような感じかと。

  • マイナンバーがあるのに、なぜコロナで困った人の支援に役立たないのか」

    →簡単に言うと、マイナンバーは導入されたものの、役所業務であまり活用できていないのが現状(使いこなせていない、というか使う機会もそんなにないのが実態かも?マイナンバーを使うと怖そうなのであんまり使いたくないという役所側の話をよく聞く。)。

    「とりあえず導入すること」「事故を起こさないこと」がテーゼになっていて、「マイナンバーを使って、社会の役にどう立つか」という視点が、ごく一部の志のある公務員にしかないかもしれない。

    たとえるなら、全社的に多額の投資のもと導入したITシステムがあるが、それがなくてもこれまで通りの業務ならできるから、一部の社員しか使っておらず、全社的にはあまり使っていない、的な感じか?

    改善のためには、「国民・住民が不便に感じていること・困っていること」「役所で同姓同名者の混同その他ミスが発生しそうなこと」「役所で迅速・効率的・効果的に業務処理をすると、サービスの受け手側の国民の満足度向上にも、処理する側の公務員の満足度向上にもつながること」、こういった手続・業務を具体的に特定して、マイナンバーをどう活用していくか、マイナンバーカードやマイナポータルをどう活用していくか、を考えるべきだと思う。

    しかし、これを考えるためには、役所の手続・業務を実際に知らないといけない。なので役所の手続・業務をよく知っている方の協力を得て、私の仕事の余裕があるときに(私も事務所を維持しなければならないので自分の仕事をまずはやらないといけないので、自分の仕事が終わった後に)、私の方で検討してみたい。ただ、「役所の手続・業務をよく知っている方の協力」をどうやって得るかという問題がある。まずは書籍などで勉強できると良いのだが…。災害対策か社会保障で考えているところ。協力してくれる方がいれば、ぜひお願いします!

  • 「他国はうまくいっているのではないのか」

    →他国の状況をまずは調べてみないとなんともいえない。
    ただ、ネットニュースを見た限り、韓国や中国では、かなりの情報を紐づけて管理していて、公開もしているようなので、日本でそれをマネするというのは、国民の理解が得られないのではないか。
    台湾でマスクがちゃんと公平に配分されているという話は、日本も真似したいところ。

  • 「水町は、マイナンバーとどういう関わり方だったのか。なぜこんなに特別定額給付金についてブログでいっぱい書いているのか。」

    →私はマイナンバーの法律案作成とPIAの担当でした。「マイナンバーがあるのに、なんで使えないんだ」という声が多いので、5月ぐらいから日々、マイナンバーの活用、特別定額給付金がスムーズにいくための方法などを考えています。
    マイナンバーは私が心血を注いで、自分の身をすり減らして対応した仕事です。私はマイナンバーのことをとても大事に思っています。少しでもマイナンバーが社会の役に立てばと思って、私にできることを生涯かけてやっていくつもりです。邪魔をする人がいるのですが、絶対に邪魔をさせないぞと、強く強く頑張っていくつもりです。

 

よく、メディアの方から聞かれる質問は以下です。

  • 「特別定額給付金で混乱が生じているのはなぜか」
  • マイナンバーと口座を紐づけることの危険性」
  • 「監視社会についてどう考えるか」

 

特別定額給付金問題の改善点をしつこく細かくブログに書いていますが、でもたぶん、多くの人が知りたいことはそれではないのではないかと思いました。私が書いているのは実務やフォーム設計・プログラム仕様的な話。私はそういうのが好きなんで。

でもたぶん、多くの人が知りたいのは、「マイナンバーがあるのに、なぜコロナで困った人の支援に役立たないのか」ではないかと思いました。これを、実務面の細かい話ではなく、端的に答えるとどうなるのかということかな、と。今度、ブログに書いてみたいと思います。まあでも、上記で大体書いたんですけど、もっと書こうと思ったら、たぶん1万字でもそれ以上でもいくらでもかけるとは思いますが、あまりにブログ書きすぎていると、自分の仕事が遅れてしまうと大変なので自重しながら書いていこうかなと^^

 

 

以下、どうでもいい話。

スローガンとか理念とかそういう大きな話ばかりして、実務を顧みない・考えないコメントというのは、世の中で結構散見されます。しかしその大きなスローガン、理念だけでは、現状は改善できない場合がある。あとは私の志向的なこともあり、現状を改善するためにはどう実務を変えればいいか的なことを考えるのが好きです。

しかし、根源的な疑問というか素朴な当たり前の質問というか、例えば、「マイナンバーがあるのに、なぜコロナで困った人の支援に役立たないのか」的な話について、細かい実務やシステム設計の話をされても、聞いている方は「?」、「それを聞きたいわけじゃないんだけど」ってなるのかなと。

 

あと思うのは、質問する側は、端的な根源的な疑問では聞いてこずに、もう少し周辺の話を聞いてくることがある。なので、「多くの人が疑問に思っていることは何なのか」をブレイクダウンして回答すると、聞いている方にとってわかりやすくなると思います。ただ、それが難しいのですが。