ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

地方公共団体におけるデータ利活用ガイドブック

「地方公共団体におけるデータ利活用ガイドブック」のVer2.0が公表になりました。

  • 2017年度の実証にご協力させていただき、Ver1.0では姫路市PIAを実施するととおに、ガイドブック中で個人情報保護条例の考え方を執筆させていただきました。姫路市さんには大変お世話になりました。いつもありがとうございます。
  • 2018年度は有識者会議メンバーとしてご協力させていただき、複数団体によるデータ利活用のご相談をお受けしました。素晴らしい団体にいくつもお会いすることができとても良かったです。特に西宮市さんがご自身でデータ利活用に関してPIAを実施してくださいましたことに、心より感謝申し上げます。また現行の全項目評価様式でも、ここまで内容の充実したPIAを、しかもデータ利活用と言う個人番号利用事務でないものに対して任意で実施してくださったこと、PIAの可能性はやっぱりすごく広いなと実感しました。西宮市さんPIAの概要版を私の方で作成しようかなとか、パブコメで賛成意見を出そうかなと思っていたのに、他の仕事に押されできなかったのが残念です。時間ができたらぜひまた西宮市さんPIAを少しでも応援できればと思っています。
  • 2019年度は、On Goingということで。

 

自治体データ利活用、もっと大きな流れになればな、と思っています。

私が今、課題として思っているのは次のようなことです。

  • オープンデータ、非識別加工情報、庁内データ利活用、情報公開請求対応、PIA、デジタルガバメントは、ある意味、すべてデータ利活用ともいえるので、複数の政策を横ぐしで調整する。自治体にとって似たような政策をいくつも展開するよりも、自治体側の省力化につながり、かつ市民福祉向上につながるような、大きなくくりで政策を考えていくべきではないか。
  • オープンデータ、非識別加工情報、庁内データ利活用、情報公開請求対応、PIA、デジタルガバメント等について、それぞれどういう課題解決に役立つのか等をマッピングすると良いのではないか。狙いとしては、自治体担当者が、「うちの団体の課題解決に役立つ政策は何かないかな」と思ったときに、「ああ、こういうのはいいよね」と思えるような、政策見取り図的なものがあるといいかなということ。
  • 自治体から相談を受ける相談会のスキームは良いと思う。こういうのと、あと地域情報化アドバイザーをもっと活用して、大きなスキームにできないか。
  • 個人情報保護条例の解釈とかも、自治体から相談を受ける相談会スキームとか、自治体をサポートできる体制を整えられないか。ゆくゆくは、個人情報保護条例は全国一律の法律に変えて、創意工夫したい自治体だけ個別条例を作れるようにすべきではないか。
  • 地方自治の観点と、条例の観点を見直すべきではないか。個人情報の世界だけではなく、全般的な話として。法律だってものすごい数が多いが、条例もかなり多数に渡る。条例策定のコスト(自治体側の人件費・作業時間・外注費等々)を考えると、全国一律で良いものは法律化すべきであって、ただそのうえで、自治体が創意工夫できるように、上乗せ条例・横出し条例を作っていくべきではないか。条例制定権というのが大変重要であることはよく理解できるが、その理念とはかけ離れた現実になってしまってはいないか。言いたいこととしては、条例制定権を制約するような意味では全くなくて、2000の団体で同じような条例を一気に作るというのは、行政コストとして不効率ではないか。全国一律で良いものというのは絶対にあるはずなので、そこは法律化することで、条例策定コストを省力化できないか。