ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

マイナンバーカードの普及策

官邸→マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針

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とまあ、見たのですが、マイナンバーカード、電子的な本人確認手段としてはとても良いと思うのですよ。ID/PWDとかだと、ログイン乗っ取りされたりして危険だから、より強固・セキュアなログイン手段として良いし、あとはネットオークションとかオンラインバンキングとかクレジットカード申込とかの身分確認の際に、わざわざ身分証明書のコピーを送ったり本人限定郵便を受け取ったりしないでもマイナンバーカードの読み取りでOKとなれば、それは便利だと思うのです。

 

でも、今のカード普及策で、カードが普及するとはとても思えないのですよね…。

普及策1:マイナンバーカードを持っていれば、自治体プレミアムポイント

自治体ポイント自体が地味すぎて、使う場面が少なすぎて、どうなんでしょうか。プレミアム付き商品券は売れ行き好調です。マイナンバーカードがあれば、紙のプレミアム付き商品券以上のお店で使えて、そして紙のプレミアム付き商品券よりお得なパーセントが高くないと、わざわざ面倒な手段使おうと思ってもらえないのではないでしょうか。私、カード持ってますけど、わざわざ自治体ポイント使おうとは思わないです…。

普及策2:健康保険証と一体化

これまでの保険証も使えて、マイナンバーカードも使えるって、そんなんだったら、わざわざマイナンバーカードにする人、めったにいないですよね。私カード持ってますけど、おそらく何度かはカードで保険証とするかもしれませんけど、たぶん、病院の窓口が「は?マイナンバーカード?そんなん使えないですよ。ふつうの保険証出してください」とかって言いそうなのは目に見えてますよね…。病院の窓口の人が、操作になれるほどマイナンバーカードを使う回数があるとは思えないし。

今だって、身分証見せてくれって言われた時にマイナンバーカードを見せると(銀行、郵便局等)、窓口の人、「え?これ?なんですか?」的態度でみんなアタフタするから、私もマイナンバーカードじゃなくて免許証を見せたりしてますよ。病院の窓口がそうならないとはとても思えない。さすがに医師会役員の経営病院は、窓口でもちゃんとマイナンバーカード使えるかもしれないですが。

普及策3:医療費控除の確定申告が楽に

これは良いですね!ただタイムラグの問題があって実現は困難なんじゃなかったでしたっけ?大丈夫なんでしょうか。もし大丈夫なら、これは本当に便利です。

普及策4:健診情報の閲覧やPHR

どうなんでしょうか。よっぽどキラーコンテンツとなるPHRが出れば、良さそうですかね。

 

普及策としては、みんなが使うものがいいですよね。

だから、私としては、東京オリンピックのチケット予約にマイナンバーカードがあれば、優先申込できるってすればよかったんじゃないかと思うんです。

マイナンバーカードがあれば、予約のID取るのと違って、一人必ず一枚しか持てないから、重複IDの防止にもなるし、本人確認が確実にできるので、IDだけと違って、事務処理が速いとして、優先申込はマイナンバーカード必須として、これでまずは優先申込を受け付けて、その後、マイナンバーカードを持っていない人用の申込を後から受け付けて、当選倍率を変えれば、マイナンバーカード取得したいっていう人も増えたんじゃないでしょうか。

オリンピックのチケットって東京都所管ですか?だとしたら国から都にそのようなお願いはできないので無理でしょうけど、JOCだったら、政治パワーで、マイナンバーカードで優先申込って実現できるんじゃないでしょうか。

どうでしょうかね。ちょっと無理ですかね。私としてはいいかなって思うんですけど。

 

あと、ある方とお話ししていたら、とっても良いアイディアを教えていただきました。

マイナンバーカードにマイナンバーが書いてあるからなんとなく敬遠されるんで、もう住基カードみたいに戻して、マイナンバーは書かないで、利活用に特化したカードとする。マイナンバーをカードに書かないと、マイナンバーの証明には使えないけど、それは住民票の写しで対応するか、マイナポータルで専用のマイナンバー証明アプリみたいなのを別途用意する。

あとはマイナンバーカードのデザインを工夫して、アメックスゴールドカードのような高級感があるカードにするか、ご当地キャラ等を自由に選べて載せられるようにする。

という案を教えていただきました。

キャラクターが選べれば、確かに私だったら絶対に申し込みたいところです^^。ゆるキャラ入り住民票がある自治体とかもありますからね。どうでしょうかね。

 

私は、マイナンバーは愛していますが、マイナンバーカードにはそんなに特別な思い入れや愛情があるわけじゃないです。まあ、マイナンバーつながりでカードも活用されればいいなとは思いますが、私としてはマイナンバー本体の方が大好きです。

 

で、ちょっと思ったのですが、私はマイナンバーが大好きなわけで、私のところにマイナンバーのご相談が来れば、そりゃ私とマイナンバーのかかわり(=立法担当官であり、私にとってマイナンバーはとても大事なものであるということ)を理解していただいたうえでご相談にいらしていると思ったんですけど、そうでもないこともあるんですね、ということを先日経験しました。私の認識不足でした。

マイナンバーの課題をまとめた資料の末尾にも書きましたけど、マイナンバー関連って、最近はあんまりいないかもしれませんが、意識高い系の方とか指導者タイプの方が、マイナンバーでマウンティングすることも実はあって、でも私はそういう意味じゃなくて、本当に心から心血を注いで取り組んだ仕事ですので、心からマイナンバーを大事に思っているわけです。

改めて、資料記載部分を引用すると以下です。

マイナンバーによって、より良い社会が実現できるように、人々の暮らしが便利に安全になるように、微力ながら、これからも生涯をかけて、マイナンバー制度の改善のために私にできることをやっていきたいと思っています。

 

「生涯をかけて」取り組んでいくという、心からの思いの宣言です。本当に好きなわけです。あと、PIAも大好きです。PIAとマイナンバーが大好きです。

前に、お客様から「医療情報に積極的に取り組んでいらっしゃいますが、先生のライフワークなんですか?」って聞かれたんですけど、ライフワークというか生涯をかけて取り組みたいテーマは、まずはマイナンバーでPIAすね。そのあとに少し遅れて個人情報(医療情報を含む)が来るかなって感じです。

話がちょっとずれますが、HYの「あなた」という歌で、

わかってほしい私の想い 全てをかけてあなたを愛してる

っていう歌詞があって、私、HY仲宗根泉さんのソロ曲、カラオケで歌うの好きだったんですけど、恋愛の好きな気持ちもなかなか相手に伝わりませんけど、私のマイナンバーへの思いも、本当にこうなんですよ。「すべてをかけて」ぐらいの気持ちなんですよね。別になにか賭けているわけじゃないんですけど、もうHYの「あなた」ぐらいの気持ちですよっていう。なんか変な話ですが。