ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

姫路での個人情報利活用事業とCafe de miki withハローキティ

姫路に行ってきました。「自治体が持つ業務データ(個人情報を含む)を政策立案等のために利活用する」という国の実証事業のご支援をさせていただいています。姫路市でお打ち合わせの前に、あなごをいただきました。Cafe de miki withハローキティは、前に姫路に個人的に旅行に行った際入りましたが、今回は時間の都合上、入ることができず、写真だけ取ってきました。

姫路はCafe de miki withハローキティがあるのと、しろまるひめがかわいいので、私の中で「かわいい!」印象が強いです(笑)
ゆるキャラでいうと、しろまるひめが大好きですが、あと、とち介とみきゃんちゃんも好きなので、栃木と愛媛にも行ってみたいです。

お仕事の話に戻ると、職員さんのカンや経験だけに頼らず、きちんとデータに基づく仕事(行政)を実現するためには、どうしても業務データの活用が急務である一方で、個人情報を含む業務データを利活用することに関し個人情報保護条例上の課題がある場合もあるため、具体的にどのような課題があるのかについて分析し、その解決策をご支援させていただいています。

データ利活用の目的等について、現場の生の声、いろいろなご指摘を伺えています。
例えば、住民票自動交付機の設置場所を検討する際、データを分析することで、今設置されている〇地点では、〇地点付近住民ではなく、実際には少し離れた〇町住民の利用が多いなどの分析ができ、これを通して、住民がより便利に住民票を取得できるように検討することができるといったお話を伺いました。特養、保育園、学校の設置場所、公民館の設置場所、支所の設置場所、すべてにおいて当てはまる話だと思います。
現状を分析しなければ、自治体の課題を見つめることはできず、課題を見つめなければ、問題が生じる前の解決が難しくなる場合も多いかと思います。データ利活用が住民の利便性向上、住民へのサービス向上、今後のより良い政策につながっていくという声をお聞きしました。

最近、本件に限らず、個人情報の利活用と保護の両立が課題となるご相談をいただくことが多く、いろいろと思案中です。
これまで私としては、保護に重点を置いた活動をしてきましたが、実際のデータや活用目的といった具体的なご相談を受けると、みんながハッピーになれる事業なのに、個人情報保護法や個人情報保護条例上、課題に直面し、データ収集を断念せざるを得ないとか、データ活用ができないというご相談をお受けすることも多く、保護と利活用がきちんと両立できるようになるためには、保護と利活用がゼロサムゲームにならずにそれぞれが進む方向に、どうすればなるんだろうかと思っているところです。今は、解釈論でそれをご支援させていただいていますが、将来的には立法論(法改正)での解決が必要かと思います。

個人情報を悪用して不当な行為をしている人がいるわけです。その一方で、まじめに公益的活動をしたり、あとは医療データを研究してより良い治療方法を検討したりする際に個人情報保護法制が壁になってしまうようでは、個人情報の保護と利活用のバランスとして、よくないように思います。ただ、個人情報保護法制の壁といっても、法令上の規制が問題というよりは、心理的な壁の場合も多く、この辺りも、よく検討していくことが必要かなと思っています。

雑駁ですが、こんな感じの近況です。

今回は、国の実証事業で、さまざまな先生方にもご指導を賜りまして、また国・自治体・民間企業の様々な方からご指導・ご示唆をいただくことができ、大変ありがたく思っています。
名刺交換をしていたら、少し前に、別件でお会いした方がいらしたりして、ある意味、世界って狭いんだなと思いました。

姫路市の方も、本当に熱意溢れて、より良い住民サービスのために本当にいろいろとご尽力されていて頭が下がります。もともとマイナンバーの講演を通してお知り合いになったのですが、しろまるひめを通して会話がはずみ(笑)、なんやかんやで、今は個人情報の利活用と個人情報保護条例の課題解決について、ご支援させていただいています。これとは別のルートで、某団体様ともマイナンバーを通して協働させていただきまして、今は、自治体データの保護・利活用とシステム的課題解決をテーマに、お話しさせていただいたりしていますし、さらにこれとは別のルートで、日弁連にレクに来てくださった方が別のお立場で参画されていたり、私の後に個人情報保護委員会に勤務されていた方とお話しさせていただいたりと、いろいろなご縁に恵まれまして、ありがたいとともに、より良い個人情報の保護と利活用のために、私にできる限りのことをしていきたいなと思う次第です。