ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

時事通信プレミアムセミナーで講演をしました

3月3日に、時事通信プレミアムセミナーで講演をしました。

時事通信社さんより、特定個人情報保護評価PIAについて講演を、という依頼を受けたので、どのような内容をお話ししようか考え、今回は、そもそも論的なお話をいたしました。

情報保護評価について内閣官房で検討していく中で、当初は、PIAの趣旨・目的・理念・あり方について検討していたのですが、案ができてからは、行政機関や自治体さんにコメントをいただく、ご質問をいただきながら、案をブラッシュアップしていくというフェーズに移りまして、そういった過程の中で、いただくコメントやご質問が、実施義務、範囲、実施時期などに集中しがちだったため、回答等を作成している作業をしていると、どうしても情報保護評価の手続や実施時期の詳細に話がいきがちで、そのため政府資料でも、手続や時期などが詳しく書かれています。

また評価書に何を書いていいかわからないというお声が施行前に多かったもので、当初の案よりも書くべき事項をより具体化していくという作業をしました。そうしたら「何を書いていいのかわからない」「プライバシーなんて評価できるわけない」といったお声は少なくなったものの、反面、全項目評価書の構成が見えづらくなってしまったのではないかとも少し思っていました。

そこで、そもそも情報保護評価とは何なのか、評価書では何を訴えていくべきなのかという、理念・趣旨をお話しすべきではないかと思い、そのあたりのことを重点的にお話しさせていただきました。


また、参加された自治体さんにおいて、PIAに関してご苦労された点のお話もありました。

評価実施機関においても、日々の業務で忙しい中、時間を割いて評価を行うわけですから、実施側にとっても、国民側にとっても、双方にとって意味のある評価となるよう、少しでも評価制度がより良いものとなるよう、私にできることがあれば、ぜひお手伝いさせていただきたいと心から思っています。

番号法も大好きですが、その中でも情報保護評価は本当に大好きな制度で、心から大切に思っている制度です。行政で新しい制度を検討していくと、他省庁との折衝や内部との折衝その他で、制度の核が揺らぎかねないような修正が入ることもあります。しかし核が揺らいでしまっては、何のために導入するかという理念も失われかねず、法律で実施義務がかかっているからしかたなくやるやっつけ評価にもなってしまう危険性があり、絶対に譲れない核だけは、何があっても私の身を挺してでも守り通そうと頑張ってきたつもりです。

大好きな評価が、面倒くさい作業、よくわからない作業にならないように、実施側にとっても国民側にとっても意味のあるものとなるよう、評価がより良いものとなっていくよう、私にできることはやっていきたいと思っています。セミナーでもお話ししましたが、お困りの自治体さんその他実施機関がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談いただければと思います。評価書の作成支援、第三者点検もやらせていただきますし、その他「ここがわからない」といった個別のご相談等も、osg#miyauchi-law.comまで(#は@に変えてください)お気軽にお寄せいただければと思います。


そして、今回のセミナーでは、うれしいことに、参加者の方から終わった後に、大変うれしいメールを頂戴しました。
メールを拝読して、本当にうれしかったです。今後の執筆活動やセミナー活動の励みになります。ありがとうございました。

そのほか、時事通信社さんの方からも、参加者アンケートをいただきました。いただいたご意見をよく拝見して、今後の活動に少しでも活かしていきたいと思います。

私は緊張しいで小心者なので、参加者アンケートを読むのは、ドキドキなんですよね…。
でも、参加された方の生の声って、本当に勉強になるんですよね。第一法規セミナーの感想で、「語尾が聞き取りづらい」って書いてあったんですけど、まさにその通りだなと思いました。本当にその通りなのに、自分ではなかなか気づきにくいんですよね。頑張っていきたいと思います。

ただ、「?」というアンケートもあって、「新しい情報がなかった」というような感想をいただくことがあるんですけど、政府の資料を見ても、他の方の講演資料を見ても、絶対に記載されていないことを確認済の内容で、かつ立案担当者だったからこそ解説できることをかなり盛り込んでいて、どう考えても、他の講演とは違う新しい情報がかなり盛り込まれている講演であっても、こういう感想をいただくことがあるんですよね…。あんまり講演を聞いていただけなかったのかなー、資料に目を通していただけなかったのかなーと思うこともありますが、わかりやすく聞き取りやすい講演になるよう、頑張っていきたいと思います。