ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

消費者取引に関する政策評価

11月7日に総務省「消費者取引に関する政策評価<勧告に伴う政策への反映状況(1回目のフォローアップ)の概要>」を公表したとのこと。4月18日の「消費者取引に関する政策評価」の結果に基づく勧告について、各省から回答を受け、その概要を取りまとめたようです。


複数府省庁にまたがる政策評価総務省がやること自体はよいことだと思うのですが、消費者行政って消費者委員会があるのに、さらに総務省政策評価で評価したり勧告したりするのって、重複じゃないでしょうかねえ。もちろん総務省行政評価局に言わせれば、「消費者委員会とは観点が違う」っていうことだろうけれども。

国って「観点が違う」を理由としてほとんど同じようなことを複数省庁でやっていてかなり非効率的だと思う。

たとえば法案審査がその最たるものだと思うのだけれども、法案審査の場合、4重の審査を受けて(さらに立案担当省庁の中でも審査を受けるので、実際は4重以上)、あまりに非効率的。
(1)内閣法制局による審査…これは個々の審査に非効率的なところがあっても、仕組みとしては必要だと思うが、
(2)法務省による罰則審査…(2)を受けた罰則部分は(1)の法制局審査は軽いはずなので、そういう調整がきちんとされていれば、法務省刑事局の罰則審査も必要だと思うが、
(3)財務省による審査…予算関連法案は財務省の審査を受ける。といっても形だけのようだが、形だけやるのも無意味。そもそも財務省は法案起案もほとんどやらないんだし、立案経験の薄い人に担当官として審査させても無意味では。
(4)総務省による審査…規制法だと総務省の審査を受ける。これも(3)と同様軽めの審査らしいが、(1)があるのに、さらに重ねてやる意味はほぼない。

審査当局としては、持っている権限を手放すと口を出しにくくなる(各省協議で意見をいうよりも審査当局で言う方が圧倒的に強い)し、情報も入ってくるのが遅くなるから、権限を手放したくないんだろうけど、もっと省庁全体としての非効率性っていうのを考えて、業務を効率化・スリム化した方が良いと思う。無駄な書面作ったり、無駄な調整したり、無駄な審査受けたりっていうのが減れば、労働時間も減るわけだし。まあ、長く役所にいる方がよいという、昔ながらの風潮を改めなければ、業務をスリム化しても労働時間は減らないかもしれないけど。


政策評価ももう少し効率性を考えた方がよいのでは。第三者的立場から政策を評価する機関があるところについては、総務省政策評価せずにさぁ、そういう機関がない行政分野について政策評価した方がよいのでは? 誰かが既にチェックしているところをいくら観点が違うにしても二重にチェックするより、誰もチェックしていないところをチェックした方がよいのではないかと思いました。