ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

令和3年個人情報保護法改正における各団体の立ち位置

※全体的な話は別に書きます。今日は、条文上の立ち位置だけ書きます。

 

 

整備法51条改正による個人情報保護法

https://www.ppc.go.jp/files/pdf/hogohou_51joukaisei.pdf

 

  • 「行政機関等」:行政機関、独立行政法人等、地方公共団体の機関、地方独立行政法人を指す(2条11項)。地方公共団体、地方独法も「行政機関等」に含まれる。地方公共団体の議会は除く(2条11項2号かっこ書き)。
    ★この点、整備法50条の時点だと、「行政機関等」とは行政機関と独立行政法人等だけ(2条11項)。

    令和4年5月までの整備法50条施行後
    11 この法律において「行政機関等」とは、次に掲げる機関をいう。一 行政機関二 独立行政法人等(別表第二に掲げる法人を除く。第十六条第二項第三号、第六十三条、第七十八条第七号イ及びロ、第八十九条第三項から第五項まで、第百十七条第三項から第五項まで並びに第百二十三条第二項において同じ。)
    令和5年5月までの整備法51条施行後
    11 この法律において「行政機関等」とは、次に掲げる機関をいう。一 行政機関二 地方公共団体の機関(議会を除く。次章、第三章及び第六十九条第二項第三号を除き、以下同じ。)三 独立行政法人等(別表第二に掲げる法人を除く。第十六条第二項第三号、第六十三条、第七十八条第一項第七号イ及びロ、第八十九条第四項から第六項まで、第百十九条第五項から第七項まで並びに第百二十五条第二項において同じ。)四 地方独立行政法人地方独立行政法人法第二十一条第一号に掲げる業務を主たる目的とするもの又は同条第二号若しくは第三号(チに係る部分に限る。)に掲げる業務を目的とするものを除く。第十六条第二項第四号、第六十三条、第七十八条第一項第七号イ及びロ、第八十九条第七項から第九項まで、第百十九条第八項から第十項まで並びに第百二十五条第二項において同じ。)
  • 独法のうち民間と同じ規制がかかるもの:別表第二(2条11項3号、16条2項但書)
    沖縄科学技術大学院大学学園  
    • 国立研究開発法人  
    国立大学法人 
    大学共同利用機関法人
    独立行政法人国立病院機構   
    独立行政法人地域医療機能推進機構
    放送大学学園
    独立行政法人労働 者健康安全機構の行う病院の運営に係る個人情報の取扱い
  • 地方独法のうち民間と同じ規制がかかるもの:地方独立行政法人法第二十一条第一号に掲げる業務を主たる目的とするもの又は同条第二号若しくは第三号(チに係る部分に限る。)に掲げる業務を目的とするもの(2条11項4号、16条2項但書)。
    〇試験研究を行うこと及び当該試験研究の成果を活用する事業であって政令で定めるもの又は当該試験研究の成果の活用を促進する事業であって政令で定めるものを実施する者に対し、出資を行うこと(地方独立行政法人法21条1号)
    〇大学又は大学及び高等専門学校の設置及び管理を行うこと並びに当該大学又は大学及び高等専門学校における技術に関する研究の成果の活用を促進する事業であって政令で定めるものを実施する者に対し、出資を行うこと(地方独立行政法人法21条2号)
    〇主として事業の経費を当該事業の経営に伴う収入をもって充てる事業で、次に掲げるものを経営すること。
    チ 病院事業(地方独立行政法人法21条3号チ)

 

感想

これだと、病院は、国立病院でも公立病院でも民間と同じ規制になるが、

保険者は、社保は民間と同じ規制だが、国保・後期高齢は行政機関並みの規制になる。

医療分野の情報流通を安定化するために民間法と同じ規制にするはずでは???

 

2.マイナンバー法

番号法30条で個人情報保護法の特例を定めている(目的外利用規制の強化等)が、その部分の各団体の立ち位置の確認。