ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

編集への愚痴

ゲラの確認をしていて、少し愚痴を。

とある雑誌に文章を書いたところ、初校ゲラが出てきました。
初校ゲラを確認したところ、文末の「。」が10か所ぐらい空白になっていました。なぜそんなことがあるのか? 全部チェックして、ないところを赤字でコメントしていきました。

当初、ゲラはなぜか画像で送ってもらっていたのですが、ゲラにいちいち赤字で書き込むと、こちらからのコメントが多すぎるので、文字認識できるPDFで送ってもらって、PDFファイルに電子データとして直接書き込みたいと思い、文字認識できるPDFファイルを送ってもらいました。文字認識できるPDFだと、なぜか空白になっていた文末の「。」が「。」になっています。スキャナで画像化するときに、薄くなって欠けたということなのでしょうか。すべての「。」をチェックした作業が無駄に××

さらに、すごいレイアウトで、見開き1ページのうち3/4が図表という、すごい組み方に仕上がっていました。図表が大きすぎるのでは&密集しすぎているのでは。

あと、図の中の行間とかが変なので、編集に連絡したところ、「再校までに直すので、再校でみてほしい」とのこと。

さらに、編集部からの修正指示に誤りがあり、「マイ番号法マイナンバー法を統一してください」と言われたのですが(編集部がマイ番号法と書いてきましたが、おそらく番号法の誤記と思われる)、Wordで元原稿に検索をかけたところ、「マイナンバー法」は書名でしか使っていず、番号法で統一しているはずであり、どういう指示なのかよくわからず、編集部に確認しても、不明とのこと。

正直、雑誌の文章の量だと、初校確認、再校確認はさらっと一読して確認する程度の作業量にしてほしいなあと思ってしまいました。


書籍にしてもそうですが、著者が編集の仕事をしなければならない出版社というのが、たまにあります。
編集をしていただけず、著者が代わりにするのであれば、編集作業料をいただきたいところですが(笑)、そういうところに限って、印税率・原稿料も相場より安いですので、出版社はおいしいよなあ、と思ってしまいます。

私が出版しているとある書籍では、大見出し、中見出し、小見出しとあるのですが、なんと小見出しが中見出しより太字ゴシックか何かで、ものすごく目立っています。なぜ小見出しが中見出しより大きく見える編集なのか謎です。著者が意見をしても、こういう謎な編集も直してもらえません。

あとは、図表の下は2行ぐらいあいているのに、中見出しの前も全く改行がないレイアウトとかで、全体の文章のまとまりが全くよくわからないという書籍があります。これも著者が意見をしても、直してもらえず。

本とか雑誌の文章の読みやすさって、文自体も重要ですが、見た目も結構重要だと思うのです。とりあえず素人の私がWordで書いた原稿の方が見やすいレイアウトっていう書籍や雑誌は、どうかと思うのですが、そういう出版社もそこそこあって残念です。

そして、そういう出版社に限って、著者に与える時間が少なく、編集に与える時間が多い気がします。例えば、著者校正って、書籍だとたいてい2週間とかですが、そういうところは10日、1週間とかにして、それなのに初校から再校までの間が長いとか。あとひどかったのは、原稿〆切を約束した日時から勝手に1か月前にずらされたりしたものの、結局脱稿から出版まで半年かかったとか(通常の法律書籍だと脱稿から出版まで3か月)。

「この出版社からは二度と本も論文も出したくない」と思う出版社が正直二社ぐらいありますが、そういうところに限って、しがらみで、複数本を出さなければいけなかったりと。困ったものです。