今年3月下旬ぐらいまでは、数年間、本当に毎日アップアップの仕事量でしたが、今年の3月末から8月ぐらいまでは、時期にもよりますが、結構余裕のある状況でした。9月に入ってまたドタバタしていましたが、10月はまた余裕があり、〆切に全然追われない日々になっています。余裕があってうれしいけど、仕事が少ないと不安な気にもなりますね。
10月は結構余裕があるので、顔認証のヨーロッパの議論を知るためにやっているFRAペーパーの訳・読解が結構進みました。全34ページ中22ページまで読み終わってブログにメモを取れたところです。やったー。
https://cyberlawissues.hatenablog.com/entry/2020/09/08/143132
あと、Cookie関連の資料を作ったり、書籍執筆をやろうと思っているところです。
途中まで顔認証のペーパーを読んだ感想>
顔認証といっても、照合目的と識別目的とで人権への影響度合いは違うようです。照合目的というのは1対1の比較でパスポート画像とその場にいる本人の照合など。識別目的というのは1対多の比較で、多の方がブラックリスト的なもの。つまり道を歩いている指名手配犯を検知したり、届け出られた迷子を検知したり、ブラックリスト搭載者が入店してきたかなんかを調べるような用途。誰がブラックリストwatchlistに掲載されているかが不透明なので良くないようです。
そしてヨーロッパでは照合目的での出入国管理については、根拠法があるようです。識別目的での警察利用なんかについては根拠法がないようです。きっとこれから作られるのでしょうね。
顔認証技術 対 人権の問題を考えるに当たって、人権制約は法律の根拠が必要で、あとは目的の必要性・手段の相当性(比例性)等を検討すべきとのことです。ヨーロッパでも日本と同じような考え方なんですね。芦部憲法で勉強した違憲審査基準に似てますね。GDPRを見ていても思いますが、外国法といっても、そんなに日本と考え方が全くテンでバラバラに違うっていうことはないんですね。日本法は大陸法を基礎にしているはずですが、違憲審査基準はアメリカ法の考え方なんでしたっけね。大日本帝国憲法は大陸法系でしたっけ??ドイツ??日本国憲法はGHQですからね。しかしEUはイギリス(EU脱退するという話はちょっとここでは置いておいて)と大陸法系のところと入っているのですもんね。こういうことを考えると、ローマ法をきちんと勉強したり、あとは憲法の大先生がいつも授業でアンシャンレジームのお話をされていらっしゃいましたが、アンシャンレジームがあったからこその近代法であり、そういうところをもっと勉強すればよかったなと思ったり。生涯学習といいますが、日々の仕事で必要となる勉強でアップアップですが、こういった基礎の部分というか土台になる部分も本当は生涯学習したほうが良いのでしょうね。
あと顔認証に戻すとポイントとしてはエラー率の話。偽陰性と偽陽性はトレードオフ関係にあるので、検出漏れを少なくしようとすると、無実の人が警察に足止めされることになってしまう。逆に無実の人が警察に足止めされにくくすると検出漏れが多い。この偽陰性と偽陽性って、PCR検査の時によく聞きましたよね。まさか顔認証ペーパーでまたお目にかかるとは、びっくりしました。