ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会

www.mhlw.go.jp

知人の方から本件に関するメールが来て、厚労省サイトに上がっている資料をざっと読みました。全部見れているわけではありませんが、検討会でも「若年女性」への支援のところでかなり意見が出ていましたが、私の意見をブログに書きたいと思います。特に、この件に関して専門というわけでもありませんので、弁護士としてというより一個人として、自分が今までいろいろと思ったことを書くだけですが。

 

困難な問題を抱える女性として、10代女性の問題があると思います。

さまざまな家庭環境の困難(DV、児童虐待育児放棄、性虐待、親とそりが壊滅的に合わない、家庭にメンタル的な困難を抱える等)から、家にいられない子どもがいます。繁華街や道、商業施設などで、何となく時間をつぶしているうちに、同じような環境の子どもと一緒に時間をつぶすことが増えたりもします。

で、夜は外で時間をつぶして日中家に帰ったり、または家に帰れなくて泊まる場所がないという子どもがいます。行政に支援を求める子はおそらくすごく少なくて、友達の家を渡り歩いたり、子どもを複数人泊めてくれる場所(必ずしも善人の家とは限らないが善人の場合もある。飯島愛さんの自伝本でもそのような場所が確か出てきたはず。)に泊まったり、女子の場合は、援助交際することで泊まる場所を手に入れたり、または子ども複数人を泊めてくれる場所で性被害にあったりするなどの事態もあります。

 

自分の責任でこういう事態に陥っているというのではなく、生まれた家の環境で、家で過ごすことができず、で、泊まる場所を得るために援助交際をしたり性被害にあったりというのは、あってはならないことです。

こういう10代を乗り越えて、安定的な職業・生活を得るというのも非常に困難です。望まずして流れでなんとなく性風俗産業に身を置いたり、望まない妊娠を経てシングルマザーになったりする方もいると思います。

家に帰れない、または帰りたくない10代女子が、安心して過ごすことのできる場所が必要なのではないでしょうか。今の福祉施設等では、そういう場所になっていないという考え方もできるのではないでしょうか。もっと簡単に、とりあえず「ここに泊まっておくか」ぐらいのノリで泊まれる施設が必要なのではないかと思います。

 

女子だけの問題ではなくて男子でも同様です。夜を道で過ごすうちに、グループを形成していって、望まないままになんとなく犯罪グループに参加してしまったり、ということもあると思います。このとき、夜を道で過ごすうちに、生涯つきあえる仲の良い友達ができたりしたらいいのですが、「あいつらは友達でもなんでもない、ただ時間をつぶすだけの関係」というような供述も、少年記録を読んでいると見られたりもします。私はあまり半グレ系のマンガとかは読みませんけど、イメージ的にはそういうのは友情に熱い的なイメージもあったりしますが、そうではなく、積極的に望んでいるわけではないけれども仕方なく一緒にいる関係というのも意外と多いようにも思います。しかも犯罪グループといっても、振り込め詐欺出し子的な、変な言い方ですが、リスクが高いわりに割の合わない犯罪をやらされたり、ということも多々あるようにも思います。粗暴犯も多いとは思いますが。

 

自分が弁護士の仕事をリタイアしたら、家に帰れない子供が安心して過ごせる場所を提供する仕事をしようかと思ったこともありますが、一個人で取り組むのはかなり困難そうだなと思いました。夜中、いつでも入れるように開けていないといけないという問題もあります。それなりの人数が要る仕事です。行政がこういう支援をするといいなあと思います。

 

少年事件の記録を読んでいると、かなりいろいろと考えさせられます。厚労省法務省で所管は違いますが、10代少年少女への支援を考える際に、家庭裁判所の調査官や少年事件に詳しい弁護士・ルポライターなどにヒアリングしてもよいのではないでしょうか。あとはいわゆる放置子も、このような問題と関連するのかもしれません。

 

ちょっと雑駁になってしまい、またいつもと経路が違うブログでしたが、前からこういうことを思っていて、で、厚労の検討会の資料を見たら、ブログに書きたくなったので書いてみました。以上です。