以前、PIAに関するブログ記事で少しお話ししましたが、
地方公共団体が個人情報を保護しつつデータ利活用できるよう、総務省から地方公共団体におけるデータ利活用ガイドブックが公表されました。
実証事業の支援という立場から、個人情報部分とPIA部分は、水町にて執筆させていただきました。
主なポイントは次の通りです。
- 目的意識をしっかり持つ
- 何が課題であり、それを解決するためにどのような方向を目指すのかを明確にする
- 常に目的に立ち戻り、サービス全体の在り方を見直す
- 個人情報保護とデータ利活用の両立を実現する
- 個人情報だからといって一切の利活用が禁止されているわけではない
- 個人情報保護条例は自治体ごとに違うとは言ってもエッセンスは同じ。
ガイドブックは長文ですので、個人情報を含むデータ利活用に当たってのエッセンスを、水町にてパワポ作成しましたので、水町作成パワポもぜひご覧ください。→自治体向けデータ利活用手引き
民間向けのパワポも時間のある時に作成予定ですが、既存作成資料としては匿名加工情報がありますので、改めてリンクを貼っておきます。→パーソナルデータのビジネス利活用
個人情報というと、これまでは大事に守っておきましょう、みだりに使わないようにしましょう、外部提供しないようにしましょうという方向に流れがちでした。
しかし企業や自治体・国が個人情報を持っているのは、その個人情報が必要だからです。当然ながら、一切の活用が禁止されているわけではありません。
法律やガイドラインは、「個人情報を持っていることをいいことに、好きなように使ってはいけないよ」ということを強調します。
それはまったくその通りであり、好きなように使う権利は企業や自治体・国にはないのです。なぜなら個人情報というのは本来はその本人のもの*1であり、その人のプライバシー権を侵害したら不法行為に該当して賠償責任などが生じるわけです。
というように、個人情報というと、これまでは「保護保護保護!!」という説明が非常に多かったように思います。
しかし、個人情報保護が強調されるあまり、必要な利活用すら控えめになるという現状も一方で見受けられます。
しかし、保護と利活用は両立していくべきものです。
例えば、駅の混雑状況や店舗レジの混雑状況などを可視化・データ化して、混雑理由・状況を分析して改善していくことなどは、消費者にとっても事業者にとってもメリットがあり、進めていくべきだと思います。もちろん、混雑改善のために持っている個人情報を好き放題事業者が使っていいというわけではありません。ですが、混雑していて改善が必要だとわかっているのに、「利用状況データは個人情報だから絶対に見ません!」という方たちも、ご相談を受けているといらっしゃるのです。そうではなくて、個人情報保護をしながら必要な利活用を行うことはできるよ、というのがガイドブックや水町作成資料の趣旨です。
また、保護と利活用の両立といえば、やはりPIAがとっても重要なツールとなってくると思います。
PIAについての資料もぜひご覧ください。
*1:情報に所有権は観念できないので、法的にはこの表現は不正確というか誤りですが、理念としてはこうあるべきかと思います