ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

金融分野ガイドライン確定

金融分野のガイドラインが、(案)が取れて確定しましたね。コチラ。金融法務事情さんなどに、新ガイドラインを踏まえた論文を寄稿しようかな。しかし、すでに仕事量が多くてパンク状態なので、新執筆はやめた方が良い気もしつつ、書きたい気もしつつ。

ちなみに、パブコメで私が出した意見に丁寧に答えてもらって、うれしいです。パブコメの結果(質問と回答)はコチラ
弁護士として意見提出していても、個人で提出であって、法人提出でないから、プライバシーに配慮して、個人名は書いていないのですね。

パブコメで意見を出した側としては、丁寧な回答があるとうれしいですね。
でも私はパブコメの意見へ回答を作る側に何度もなっているので、回答を作る人の気持ちも実はよくわかるのです。役所にいるときは、1000問ぐらいの質問に一人で回答作るとか、結構たびたびやっていました。自治体からの質問、業界団体からの質問、パブコメの質問と、質問は大量に来るのです。そうすると、だんだん1000本ノックみたいになってきて、質問を見ては書き、見ては書き、になっていくと、だんだん丁寧さが失われてしまうのです(私の場合)。

1000本ノックは地味に結構つらいです。もう少し担当を分担してもらえるといいのですが、内閣官房という組織は他の省庁と違って、分担がなく、なぜか一定の人に異常に仕事が増殖する組織のようです。一人で1000本はつらい。しかも、パブコメなら期限がありますけど、自治体からの質問とか業界団体からの質問は期限なく、永遠に来るので、いつまで1000本ノックが続くのかわからない状態という。

「今は国会もないし、法制局にも行かなくていいから、楽だなあ」とか上司に言われて、「いやいや、私は1000本ノックやってますよ」みたいな。

1000本ノックといえば、弁護士的には、デューディリを思いだしますね。デュー・ディリジェンス(DD)といって、M&Aの際などに、買収予定先の企業の契約書などをチェックして、法的に問題がないかどうかを確認する作業です。大手法律事務所(いわゆる四大事務所、外資系大手等)は、必ずこの仕事をやっています。私も前は大手法律事務所にいましたが、私はDDはそんなにやってなくて、2回ぐらいしか実はやっていません。法律事務所的にはDDは儲かるからやりたいのですが、若手弁護士的にはスキルにはほとんどならないのにつらいということで不評な作業の一つです。DDだと、契約書1000本とか見たりするんですよね。

そういえば、役所をやめた後も、大量の質問に回答するという仕事をこの前やりました。結局、ずっとやっていたことだから、ある意味1000本ノックは得意になりつつあります。全国組織等の場合は、大量の質問が寄せられるので、それに回答するという仕事が、やはりどこでも発生するのだなと思います。

1000本の質問を見ていると、「うぁ、すごい」というようなうなるような質問も出てきます。そういう質問を受けるのも、仕事の醍醐味ですかね。