<口述関連>
- 演奏権・上演権は、音楽・演劇などが対象
演奏権(22条)は、音楽(歌唱を含む、2条1項16号)を演じる権利
上演権(22条)は、演奏以外の方法により著作物を演ずる権利(2条1項16号)
それぞれ「公に」が要件なので、特定かつ多数か、不特定かつ多数向け(結果的に徴収がいなくても、その目的があれば含む)でないといけない。
- 口述物をネット公表したり、放送すると、公衆送信権(23条)の問題に
- 口述権(24条)は、朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達する権利(実演に該当するものを除く。)(2条1項18号)
演奏・上演・口述とも、録音されたものを再生したり、電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信を除く)も含む(2条7項)
口述権の対象は演奏権・上演権とすみ分けられているため、小説・詩・講演等に限定される - 演奏・上演・上映・口述とも、非営利・無料・無報酬は権利の範囲外(38条1項)だが、公衆送信は非営利・無料・無報酬でもダメで、権利者の許諾が必要。
<点字・音声化関連>
- 公表された著作物は、点字により複製できる(37条1項)
- 自動点字生成等して、ネット上にアップロードも可
公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる(37条2項)
- 一定の者であれば視覚で認識するものを音声化等してネット上にアップロードすることも原則可(37条3項)
視覚障害その他の障害により視覚による表現の認識が困難な者の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であつて、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は公衆送信を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。(37条3項)
施行令2条1項
一 次に掲げる施設を設置して視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者(イ、ニ又はチに掲げる施設を設置する者にあつては国、地方公共団体又は一般社団法人等、ホに掲げる施設を設置する者にあつては地方公共団体、公益社団法人又は公益財団法人に限る。)イ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項の障害児入所施設及び児童発達支援センターロ 大学等の図書館及びこれに類する施設ハ 国立国会図書館ホ 図書館法第二条第一項の図書館(司書等が置かれているものに限る。)チ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十一項に規定する障害者支援施設及び同条第一項に規定する障害福祉サービス事業(同条第七項に規定する生活介護、同条第十二項に規定する自立訓練、同条第十三項に規定する就労移行支援又は同条第十四項に規定する就労継続支援を行う事業に限る。)を行う施設イ 視覚障害者等のための複製又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。ロにおいて同じ。)を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力及び経理的基礎を有していること。ロ 視覚障害者等のための複製又は公衆送信を適正に行うために必要な法に関する知識を有する職員が置かれていること。
一定の者とはいえ、個別指定は不要で、ボランティア団体等もSARTRASサイトに掲載していて一定の条件を満たしていれば可能。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/1412247.html
https://sartras.or.jp/archives/190405/
- 37条3項や37条の2に基づき作成された複製物を頒布したり公衆提示(送信可能化を含む)すると、複製権侵害になる(49条1項1号)、譲渡も不可
- 翻訳又は翻案、変形可(47条の6第1項4・5号)
<字幕関連>
- 一定の者であれば聴覚で認識するもの文字化等してネット上にアップロードすることも原則可(37条の2)
聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第五項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であつて、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によつては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
一 当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。
二 専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)。
施行令2条の2第1項
一 法第三十七条の二第一号(法第八十六条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)に掲げる利用 次に掲げる者
イ 身体障害者福祉法第五条第一項の視聴覚障害者情報提供施設を設置して聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者(国、地方公共団体又は一般社団法人等に限る。)
ロ イに掲げる者のほか、聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人のうち、聴覚障害者等のための複製又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定するもの
二 法第三十七条の二第二号(法第八十六条第一項及び第百二条第一項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に掲げる利用 次に掲げる者(法第三十七条の二第二号の規定の適用を受けて作成された複製物の貸出しを文部科学省令で定める基準に従つて行う者に限る。)
イ 次に掲げる施設を設置して聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者((2)に掲げる施設を設置する者にあつては国、地方公共団体又は一般社団法人等、(3)に掲げる施設を設置する者にあつては地方公共団体、公益社団法人又は公益財団法人に限る。)
(1) 大学等の図書館及びこれに類する施設
(2) 身体障害者福祉法第五条第一項の視聴覚障害者情報提供施設
(3) 図書館法第二条第一項の図書館(司書等が置かれているものに限る。)
(4) 学校図書館法第二条の学校図書館
ロ イに掲げる者のほか、聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人のうち、聴覚障害者等のための複製を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定するもの