今年から、東京都 都政改革アドバイザリー会議の委員を拝命しています。小池百合子知事出席の会議で、都政改革全般が議題になっています。委員は、企業経営層の方が多く、私が何か都政に役立つことを発言できるかは謎ですが、IT関連(BPR、AI、RPA、EBPM、データ利活用、ペーパーレス、デジタルファースト)などでコメントしています。せっかくですので、第1回と第2回の私の発言内容をブログに貼っておきます。
www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp
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第1回
都政改革の3つの原則:都民ファースト、賢い支出、情報公開
都政改革の3つの改革手法:「しごと改革」、「見える化改革」、「仕組み改革」
○水町委員 弁護士の水町と申します。私は、情報やITを中心にした弁護士活動というか、御相談対応をさせていただいております。
会社員と国家公務員と勤務弁護士と自営業といろいろ経験いたしましたので、いろんな組織の働き方を経験しているつもりです。
特に、国家公務員時代は内閣官房でマイナンバー法の立法担当官をやっております。その関係で、うちの事務所にいらっしゃるお客様、御相談者の中には、企業の方も多いですけれども、自治体の方も結構多いという状況で、日常的に自治体職員の方とお付き合いがあるという状況です。
今回、資料を見せていただきまして、生産性向上というもののためには、岩本委員もおっしゃっておりましたけれども、ITの活用。手作業でやったり、また、エクセルで職員さんがグラフ化したりとか、職員さんが個別にマクロを打っているとかというケースも結構自治体さんだとまだあるんですね。セキュリティを高めるという意味でも、生産性向上という意味でも、IT化、またはAI、RPAというもので、人がやらないでいい仕事は機械にやってもらうという考え方も重要ではないかと思います。
ただ、もっとも、機械が万能なわけでは絶対ありませんので、機械に向いている業務というのをきちんと選定するということが重要ですし、システム化は費用がかかりますので、どっちがいいか、人でやっているのと機械に任せるのと、費用対効果、その他諸々含めてどっちがいいかというのは、もちろんちゃんと考えないといけないんですが、まず、機械化ということも今後重要になってくるかなと。
あとは、それと系統が反対向きではありますけれども、BPRのためには機械化だけではだめで、やっている事務のフローの無駄を排除していくということが、一番重要だと思います。
資料の方で事務フローを総点検されているという資料があって、本当これ大変な作業で、本当に頭が下がる、本当に大変な作業をやられているなと思いましたけれども、資料に載っているフローは、結構これでも簡単なフローだと思うんですね、役所の中だと。
役所のフローというのはものすごい複雑でして、隣の局の担当者としゃべるために、自分の課の総括に上げて、隣の局の総括に上げて、また課からおろして、総括におろして担当者とか、すごい重層構造なんですよ。これは皆さん御存じだと思いますけど、それが本当に要るのかということですね。その人たちの作業量は要らないですよねと。そういうことを言うと公務員の方に結構怒られるんですけど、既得権益とは違って前例なんですよね。全然、既得権益はなくて、公務員の方は幅広な情報提供というのが大好きなんですけど、それはすごく大事なんですけど、そこは別に決裁とかじゃなくて、そのメールのCCとかでもいいはずだから、わざわざそういうラインで上げていくというところとか、電子決裁も決裁系ははんこがものすごく多いですよね。そのはんこの人たち、本当、全員決裁として要りますか、そこは情報提供だけで済みませんかとか、そういうアナログなフローを改善していくことが必要かなと思います。
あと、今日の楽天さんのプレゼンテーションは、さすが先進企業はすごいなと思いましたけれども、自治体とか国というのは昭和何十年ですかみたいな世界で動いているわけですね。そこにいきなり楽天を目指せと言われても難しいと思いますので、私が提案したいのは、民間との人事交流でして、例えば、公務員の方が3、4割はもう民間企業で2、3年はやるとか、そういうふうになってくると、ああ、いかにここは昭和なんだという、これはマインド、経験として変えていくということも重要かなと思いました。
あと、ちょっと最後に1点だけなんですけれども、谷田委員の方から登記簿で空き家を貸すとか、都としての収入を増やすみたいな御意見がありましたが、ここは例えば登記簿にマイナンバーをつけて検索するとか、マイナンバーに限らず、自治体が持っている業務データ、これを自治体経営に使っていくというか、もちろん保護は重要なんですけれども、保護を徹底して業務データをきちんと分析して必要な課題を発見する、課題解決の方策を検討する、その結果、成果がどのぐらい出たかを検討する、EPPMプロセスとか、そういうことにもつながってきて、そのデータによる行政経営というのもやっぱり今後は重要なテーマかなと思います。
以上です。
第2回
ペーパーレスについて
○水町委員 今の岩本委員の御意見と少し重複する部分がありますけれども、都の事務局から行政手続、添付書類のデジタル化のお話がございました。このあたりは霞ヶ関でも、あとは全国の基礎自治体でも行政手続をIT化するというのは検討されていて、国ではデジタルファーストということで、紙で行政手続をするというよりはITを通して、スマホやパソコンなどで家からでも、また、コンビニで例えば住民票をとれるとか、そういうマシンを通じた利便性の高い行政手続というのを検討しているところだと存じております。
この検討の歴史というのは結構古くて、もちろんその方向性はすばらしいし、その添付書類が紙じゃなくてデータで来れば、自治体側の処理というのも効率化するので非常に良いことだと思います。あと、やはり都民にしてみても、パソコンを使いこなせる方というのはそんなに多くないにしても、スマホでピピッとできたり、あとはコンビニで端末操作できたりすると、わざわざ都に来るとか、その他のところ、出先機関へ行くとか、そういう手間がなくなりますので、利便性が上がっていくんじゃないかなと思います。
ただ、これは昔から検討されているんですが結構難しくて、国では行政手続を何%デジタル化しますという目標を掲げては失敗してきた歴史があります。結局、利用率が低いところを幾ら電子化しても、お金だけかかって利便性が上がらないようなことになるので、満遍なく何%目標を掲げるよりは、やはり都民が、ここがネットでできたら良いよねとか、何か混雑防止などにつながると良いと思います。窓口が混むので、ITでやってもらうというのもあるし、利便性が上がるところを選んでデジタル化していくと良いのかなと思いました。
あと、岩本委員がおっしゃったように、AI、RPAを使っていくと、例えば紙に打ち出してチェックしていたものがシステム処理されますので紙の削減にもつながると思います。
あと、紙についての意見としては、紙が2億枚とありましたけれども、ここもなかなか難しいところで、やはりペーパーレスということ自体は非常に重要だと思うんですが、余りに紙は使わないようにしましょうと、目標を絞ってしまうと、例えば紙に印刷して目で見ることでミスを減らすとか、効率的に仕事ができるということもあるので、紙はだめとばかり言うのも働く人たちにとって苦しいところも出てくるのかなと思います。そこで、これも例えば紙の消費量が多いところ、ここを原因分析して削減していくですとか、あとは、ここは絶対減るよねという、ちょっと無駄っぽいところを削減していくと良いかなと思います。私の公務員時代の経験で紙の消費が多いところとしては、私は3年半ぐらいしか公務員経験ないので拙い経験ですけれども、多かったのが査定当局のところ、例えば予算査定とか法律、内閣法制局の法律査定になってくると、1法律につき100枚くらいを毎日持っていくんですよね。だから、それが複数法律について3カ月分ぐらいだと、すごい枚数になってしまう。査定当局というのは当然行政内です。行政内同士で、そんなに紙を使ってしまうと、都民との紙を減らせないというのはわかりますので、都の内部の例えば条例審査や主計のような予算査定の当局が紙を大量に要求しているようなことがあれば、そこは削減できるのではないかなと思います。あとは、やはり会議のペーパーレスは非常に重要で、国で働いていたときは、会議をやるたびに100部、200部の傍聴席用の配布資料、それと、1回の会議で300部、記者クラブへの投込みとかもありました。ただ、マスコミへの情報提供というのは非常に重要で、行政の取組を中立公平な立場から報道してもらうということは必要なので、記者がやはり紙で欲しいということであれば、そこは現状のままということになるとも思います。もし、記者クラブ側もそんなに紙は要らないとかということがあれば、そういうところの紙削減というのも、取組としてはいいんじゃないかなと思いました。以上です。
女性活躍について
○水町委員 管理職選考をためらった理由に、家庭生活が犠牲になるおそれというのがあるんですけれども、やはり家庭生活を考えると、保育園であるとか、学童保育が18時ぐらいに終わるのが現状だと思います。そうすると、子供が一人になってしまいますので、通勤時間を考え、17時には職場を出ないと間に合わない。17時退庁になるとなかなか管理職には難しい。また、延長をやっているところも、結局は19時ぐらいまでしかやっていないので、延長しても18時に退庁しなきゃいけないということで、なかなか子育てとの両立というのは難しいというところがあります。もちろん、民間サービスとか祖父母、こういうのを頼れば両立できるということもあるかもしれませんがそれもまた子供の生活リズムが崩れるとか、色んな問題がありますので、そういうことを考えると、やはりラインの管理職というのは、調整作業、例えば議会対応とか、そういったものだと、どうしても夜も活動しなきゃいけない部分も出てきてしまいます。そこで、ラインの管理職だけじゃなくて、専門職管理職というのを設けても良いのではないかと思います。この資料で、現職の知識・経験を活かした仕事を続けたいという理由もあって、これは女性だけじゃなくて男性でも、自治体の方は結構ジェネラリストで、異動が前提というのが公務員だとは思うんですけれども、現代社会は結構複雑な問題がありますので、専門的な業務も結構多いと思います。そうすると、まだまだここを変わりたくない、この仕事を変わりたくないという方もいらっしゃるし、そういう専門職で上に行けるというポジションをつくると、自分の仕事のやり方次第なので調整もでき、残業時間という問題もクリアできるのかなと思いました。調整作業だとどうしても他人と関わるので、自分で残業時間を調整するということは難しいと思います。是非、専門職管理職なども検討されたらいいのかなと思いました。
以上です。