ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

議事録にも特徴がある

どうでもいい話です。ある会議の議事録を確認していて、思ったこと。

 

会議にいっぱい参加しているので、会議後に議事録を確認して、何かあれば修正してくださいという依頼はよく来ます。たかだ議事録と侮るなかれ。結構、差があるのです。

 

会社員の方は、顧客先に打ち合わせに行った後に、議事録を作ったりしますよね? それを新人社員とか、その分野の経験が少ない人が作ったりすると、ポイントが抑えられていないので、修正して、OJTするみたいなことがあると思います。

 

会議系の議事録はどうかというと、これは、一般には新人社員が作るというようなことはないです。大抵は、外部事業者に作ってもらうか、内部で作るかした上で、チェックが結構入ります(少なくとも全発言者にチェックしてもらうので、内部でもチェックが入ることが多いうえに、外部というか発言者のチェックも入る)。

 

そして、構成としては、以下の4種類に分かれます。

1,全文と概要の二本立て。

2,全文のみ。

3,概要のみ。

4,概要というか、ほぼ内容がない議事録(会議をやった的な内容)

 

全文については、速記の人が、発言者が話したことを全て書き起こしているので、基本的にはどんな会議でも差異が出ないはずではあるのですが、若干差が出てきます。

 

悪い意味の差だと、聞きおこしが不十分で間違って書き起こしちゃっているという場合があります。ただ、これは発言者がチェックすれば、まあ直ります(発言者がチェック依頼を受けても実際にはチェックしないでスルーして、間違っているのがそのまま載ることもありますが)。

 

良い意味の差だと、変な口語をきれいな言葉に置き換えている場合があります。これ、都の会議で実際に体験しました。

私がDXの話かなんかで、全行政手続をDXしましょう、デジタル化しましょうってやっちゃうと、効果が乏しい(活用件数が少ない、デジタル化しても利用者・処理側ともにメリットが少ない)のに費用だけかかることがあるので、効果が大きく費用が合理的なものから取り組んだ方がよいみたいな発言をしたんですよね、確か。で、私がたしか、「のぺーっと全部の手続を対象にしましょうってやってしまうとあまりよくない」みたいな発言を実際にはしたんだったかと思うんですけど、「のぺー」っておかしいですよね?「のぺー」ですよ?「のぺー」。

それをね、都の全文議事録案では、確か「満遍なく」とか「すべての」とかってきれいな言葉にあらかじめ置き換えてくれていたのですよ、ちょっと記憶が薄れていますが、確かそんな感じだったはず。自分の発言部分読み直して笑ってしまいましたよ。「のぺー」がきれいな言葉にきちんと置き換わっている。すごい。

そもそも、都の会議で「のぺー」とか言うなっていう話ですよね、私。あと、自分の発言を全文議事録で読んでいると、なんてわかりにくい、ノイズが多い語尾なんだとか、ノイズ多すぎじゃないかとか、結構悲しくなりますね。

 

次、概要について。概要はほんとにピンキリですね。会社の方が作る顧客との打合せ議事メモとおんなじ感じですよね。ポイントが全く抑えられていない議事概要っていうのもたまにあります。あとは、発言内容が正反対になっちゃっているのもあります。例えば、「これは個人情報の目的外利用に当たる」って私が言っているのに、議事メモで私の発言が「個人情報の目的外利用に当たらない」になっていたりして、それも語尾を間違えちゃったというよりは、内容が全体的に間違っていたりしたことがあって、委託先が議事メモ作っていた会議だったんですけど、発注元もチェックしていないからそうなるんだなと思ったり。

やっぱり、中身を分かっている優秀な人が議事メモを作るか確認していると、さすがにポイントがおさえられていなかったり、内容が正反対になっていたりっていうことはないし、逆に私の発言全文より、わかりやすいというか、ポイントが抑えられていることがあって、すごいな、みたいな。

議事概要は、本当にスキルが出ますね。

 

ちなみに、最近は私議事録作っていませんが、昔作っていたころは、概要が長くなってしまう傾向がありました。わたし、文章が長くなるんですよね。全部大事に思っちゃって、ポイントを絞り切れない的な。優秀な係長がいると、それを短くしてくれるからいいんですが、自分だとつい長くなりすぎてしまう。

大学入試で国語で要約問題があったんですが、あれ、200字要約だったか400字要約だったか忘れましたが、毎回毎回、その字数におさまらないので、いつも字数を数えて減らす作業をやっているわけですよ。要約が苦手。長くなりすぎる。

 

ブログだといくらでも長くかけるから素晴らしいですね。

商業法律雑誌とかだと、大体8000字から10000字の文字数制限が多いですよね。Web原稿でも字数制限があるものはそこそこある気がします。

その点、自分のブログと自分のパワポならいくらでも書きまくれますからね。読み手にとっては、コンパクトにまとまっている方が良いというのはよくわかりますが、私の性格だと長く書きまくった方が自分にとっては向いているので(読者目線の欠如か?)。