ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

手続に必要な書類

どうマイナンバーを改善すれば人の役に立つかを考えるに当たって、まず自民党マイナンバーPTの「マイナンバー制度等の活用方策についての提言」を見てみました。

 

で、雇用調整助成金とか緊急小口貸付で、マイナンバーを活用して速やかな支援を行うというようなことが書いてあるので、それぞれの申請方法の説明サイトを見てみました。

 

雇用調整助成金の申請で必要なものは以下の通りです。これらって、やっぱりちょっと情報連携できないものですよね。だって、役所はこれらの情報を持ってはいないので、やっぱり企業側からいただかないとわからないかなと。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

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それに対して、緊急小口貸付の申請に必要な書類は以下のようです。これ、そもそもなんでこれらの書類が必要なんですかね。(2)住民票に加えて(4)本人確認書類って、なんでダブルで必要なんですかね。住民票だけではだめなのか。それか住民票なしで免許証やマイナンバーカードだけではだめなのか。

https://www.mhlw.go.jp/content/000627403.pdf

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情報連携で効率化とかマイナンバーで云々の前に、なぜその書類が必要なのかがよくわからないので、そのあたりの精査も必要かなと思いました。あとは、やっぱりマイナンバーカードさえあれば、一生、住民票は取らないでいいみたいな、住民票レスを実現するとか、なんかそういう方向にはできないのかな、と。毎回2円だか取られる問題さえなければ、マイナンバーカードで失効確認すれば、身分確認はできるんですよね? 

 

また雇用調整助成金のWeb申請でシステムトラブルがあった件、どうすれば防止できるのかとか少し考えてみましたが、そりゃもちろん、さまざまなテストを行うべきっていう話にはなりますが、テストってそうはいっても不足することってあり得るわけで、テストケースを全網羅するようなスキームとかツールとか、私はもうわからないのですが、そういうのがあれば一番良いですが、民間サイトでもああいったインシデントは起こっていて、どうすべきなのか。

 

申請サイト自体は官でも民でもよくあるもので、それを個別に作ると、それぞれの失敗が生かせなくなってしまうので、経産省のGビズIDみたいなものは発想が良いと思いますが、申請サイト自体も、霞が関で一個用意して、それを十分テストすれば、あとは各制度ごとの申請では、申請の画面(フォーム)をカスタマイズすれば、フォーム内容の入力を受けて、で添付書類を受け取ってってなるので、機能的には共通化できるし、そうなるとバラバラに作るよりも、不具合が起こりづらい(過去十分テストしているものを使いまわすので)かなと思ったりしました。