ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

小島 慶子さんの文章

bunshun.jp

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女性活躍という掛け声に浮き足立った組織でよく見られることだが、うっかりすると「女性を引き立てる=職場の華として持ち上げる」という発想に陥りやすい。

 

私は父のような経済的強者になりたかったのと同時に、そうした強者が女性に向ける眼差しを憎んでいた。「誰のおかげで」と言った父だけでなく、母や姉が私に擦り込んだ「値踏みする男の視点」を憎んでいた。その眼差しは女の顔や体つきを品定めし、愛されるためにもっと努力しろ、じゃないと幸せになれないぞと脅す。テレビにも雑誌にも家族の言葉にも、耳目に触れる全てのものにそのメッセージは仕込まれていた。その呪いから、なんとかして自由になりたかった。

 お金さえ自力で稼げれば、品評会から離脱できる。だけどやっぱり“高級な女”でいたいという矛盾した思いもあった。当時の男の勝ち組である父の価値観と、女の勝ち組である母の価値観を取り込んで、全方位的に勝ちたいと欲張った結果、まさにそれを全て体現しているような“女子アナ”と呼ばれる職業にたどり着いたというわけだ。

 

いわゆる男社会の弊害を言うときには、男が加害者で女は被害者という二項対立になりがちだが、硬直したジェンダー観の強化には女性も加担している。

 

非常に良い文章だと思いました。

「女性活躍」といったところで、掛け声だけの所も結構多い。「女性活躍」というのは、特殊な人を特殊な形で引き立てるのではなく、まじめに頑張っている人が報われる社会にするというような、当たり前の地道な話ではないのか。

ただ、この記事にあるように、女性側もジェンダー論の刷り込みがなされているところがあるので、なかなか難しいところでもある。「男」対「女」というような簡単な構図ではない。

 

 

あと、話は変わりますが、国会の学級崩壊っていう毎日新聞の記事が良かったので、この後ブログで書こうと思ってますが、そこで見たのが、野田聖子さんって、まさに「女性活躍」の体現じゃないけど、すごい女性というイメージがあったのに、「女帝小池百合子」を国会中に読んでいたというのを見て、なんか思わず笑ってしまいました。