製品やサービスから収集する「産業ビッグデータ」の流通を促すため、政府はデータの悪用や流出を防ぐルールを作る。
記事冒頭の上記部分だけ読むと、「なんだ、またか…」「何回同じ検討を繰り返せば気が済むのかな」「いくつ似たような仕組みを作れば気が済むのかしら」とか思ってしまいますが、
参加企業が懸念するのはデータの悪用だ。産業ビッグデータは特許や著作権などの保護対象にならない場合も多い。データが勝手にUSBメモリーなどで持ち出され、類似製品を開発されると被害は大きい。社名など関連情報を秘匿してデータを提供したのに特定されて事故やトラブルなどの情報が漏れると風評被害が広がる恐れもある。
政府は不正競争防止法をもとにルール作りに乗り出す。パスワードで管理されたデータを不特定多数の企業やグループで共有する場合、不正取得や危害を加える意図を持った使用があった際には、差し止めや損害賠償請求ができるようにする。
企業などが個別に契約を結んでいなくても、価値があるデータの場合は差し止めなどの対象にする。業界の垣根を越えて取引する「データ市場」も見据えてルールを整える。個人情報保護法との関係も整理する。
ここを見る限り、不正競争防止法と関連ガイドラインの改正で、かつ違法行為時の制裁強化がされるようですね。経産省の不正競争防止法改正だと、さすがに経済界にかなりヒアリングしていると思われますし。本当にデータ共有につながるようであれば、しかも制裁も強化されるわけですし、いいと思いますし、今までの政策よりも期待ができるような気がします。
ただ、個人情報保護法との関係整理っていっても、結局、
「物データで個人情報を含まない場合はこのスキームで共有するけど、個人情報含む場合は個人情報保護法遵守に気を付けてね」
っていうような整理になりそうな気が。
車の走行データって、物データにも一見思えますが、結局運転者か搭乗者が誰かわかってしまえば個人情報に該当するわけで、長期間の車の移動履歴とかって、IDや運転者の名前等がなくても、個人情報に当たる可能性があり…。個人情報該当性を否定するほどの加工って、結構難しい気が。
ってなると、また同じ話に戻って、匿名加工とか非個人情報加工が現実的には困難な場合が多いっていう話になって、で、だったら個人データの共同利用ですか、学術研究ですかっていう話になってしまうかと。車の事故データとかヒヤリハットだと、人の生命・身体保護でいけなくない気もしますが、そうはいってもっていうところもあり。
個人情報に絶対該当しないデータから始めると良いかと思います。