ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

接触確認アプリへの感想

cio.go.jp

 

接触確認アプリに関する有識者検討会合が開催されたそうです。

 

私は個人情報保護が専門とはいえ、この件を聞くたびに、個人情報保護よりも、以下の点がどうしても気になります。

  • 「あなたは濃厚接触者です」とアプリに言われたところで、PCR検査もしてもらえなかったら、かえって知らない方がよかった、的になるというか、不安になるだけでは? これが増発すると、下手したら暴動が起きるレベルでは。 さらにいえば、検査してもらえないだけじゃなくて、出勤だってしなくてはならないかもしれず。会社から出勤要請があれば、「アプリで濃厚接触者疑いがあるって言われたので休みます」っていっても、休ませてもらえないかもしれないし。にもかかわらず、あとからメディアで「アプリで濃厚接触者疑いがあることが通知されていたのに、通勤していた!」と批判されそうだし。どうすればいいのか。
  • 陽性者かどうかスマホで登録するとのことだが、それが本当に正確な情報なのか。愉快犯が陰性なのに陽性と偽ったり、あとは誤タップはないのか
    →この点については、保健所がまず陽性者を登録して、陽性者自身は保健所からの通知を読んだ的なタップをするということなので、解決か

 

各国はどうやってこのアプリで成果を出しているのだろうか。あまり効果がなく、かえって不安があおられるだけの気が。各国は検査数が多いから、アプリで濃厚接触者疑いになれば、必ず検査してもらえるのだろうか。。。

 

あと、保健所が大変という報道が多いけど、保健所の今の業務を大まかにリストアップして、全国一律で対応できないか、IT対応できないか、保健所以外の組織で対応できないか、非専門職で対応できないか、人員応援はできないか、などを検討していった方が良いと思う。

報告のためのシステムは開発予定とのことだけど、それ以外も、業務負荷が少しでも減るように、コロナ対応している医療機関と、あとは保健所の業務支援を考えた方が良いと思う。私にできることがあればやりたいのだけど、保健所の業務がわからず。10万円給付のほうは、業務のイメージがつくので、検討できるけど。。。

 

接触確認アプリについて、前に書いたブログはこちら

cyberlawissues.hatenablog.com