ITをめぐる法律問題について考える

弁護士水町雅子のIT情報法ブログ

官民データ活用推進基本法

官民データ活用推進基本法に関する簡単なまとめです。

スマホSNSクラウド、IoT、ロボット、ドローン、AI、光ファイバー回線、4G等の進展により、多種多様の大量のデータを活用することで、人の暮らしを便利にできるようになっている。データが相互につながればさらに様々な価値を生み出す可能性があり、官(国、地方公共団体等)・民(国民、事業者等)の持つデータを可能な限り相互にオープン化すること(オープンデータ)、データの分野横断的な連携の仕組みの構築、データの品質や信頼性・安全性の確保、データ利活用のための人材育成や研究開発等、総合的な対策を講じていくことが必要である。そのため平成28年12月に、「官民データ活用推進基本法」(平成28年法律第103号)が公布・施行された。
同法により、国は官民データ活用推進基本計画を、都道府県は都道府県官民データ活用推進計画を定める義務がある。なお、市町村は市町村官民データ活用推進計画を定めるよう努力する義務にとどまる。
同法に基づき、行政手続等のオンライン化原則(同法 10 条)、オープンデータの促進(同法11 条1項及び2項)、 データの円滑な流通の促進(同法11条3項)、データ利活用のルール整備(同法12条)、マイナンバーカードの普及・活用(同法13 条)、利用の機会等の格差の是正(デジタルデバイド対策)(同法14条)、情報システム改革・業務の見直し(同法15条1項)、データ連携のためのプラットフォーム整備(同法15条2項)、研究開発(同法16条)、人材育成・普及啓発等(同法17条、18条)、国の施策と地方の施策との整合性の確保等(同法19条)、国際貢献及び国際競争力の強化に向けた国際展開が図られていくことになる。
中でもオープンデータは、同法に基づき、さらに促進されていくことが期待される。またオープンデータの取り組みだけではなく、データ流通の促進・ルール整備・人材育成等も併せて行われることで、よりデータの入手及び利活用が容易になることも期待される。