政令・省令・規則などを作るときに、上位規範に反することはできません。その検討に際し、委任立法の限界に関して問題となった事例に関するメモです。
授権法律側の問題
- 最決平成22年9月27日判時2126号143ページ
- 道路整備特別措置法24条3項が犯罪の構成要件を高速道路株式会社に委ねているように見えるが、合憲性如何。
委任を受けた側の問題
- 最大判昭和46年1月20日民集25巻1号1ページ(百選Ⅰ51)
- 農地法旧80条が、旧所有者の買取請求を認めていたものの、その委任を受けた施行令旧16条4号が、売り払い対象農地をきわめて限定していた件。
- 最判平成2年2月1日民集44巻2号369ページ
- 銃砲刀剣類所持等取締法14条1項は、美術品として価値のある刀剣類について登録を規定していたが、省令4条2項が登録対象を日本刀に限定していた件。
- 文化財としての価値判断を行政庁の泉温技術的観点からの裁量判断に委ね、登録規則制定者の判断を尊重した判決(大橋『行政法Ⅰ』(有斐閣、年)138ページ)
- 最判平成14年1月31日民集56巻1号246ページ
- 児童扶養手当法4条1項の委任を受けた施行令1条の2、3条で、婚姻外懐胎児童を対象としつつも、父の認知がある場合は支給対象児童から除外していた件
- 違法・無効と判断された
- 最決平成15年12月25日民集57巻11号2562ページ
- 戸籍法50条で子の名に関し常用平易な文字と規定している件。